全国公団住宅自治会協議会は12月3日午後、2009年全国統一行動を集約する「家賃値上げ反対・高家賃引き下げ、安心して住みつづけられる公団住宅を要求する2009年全国公団住宅居住者総決起集会」を開きました。会場の東京・一ツ橋の日本教育会館大ホールは、10自治協すべてから160団地自治会980人が参加し熱気につつまれました。
 集会では125,212世帯・247,105人分の2009年全国統一行動の都市再生機構理事長あてと国土交通大臣あて署名(第1次分)を集約し、要請団を編成して都市再生機構本社、国土交通省に提出(別掲)、要望実現を要請しました。

6党の国会議員が連帯・協力を表明
 政権交代で民主・社民・国民新3党連立政権になってはじめての総決起集会でしたが、国会が最終盤を迎えているなか6政党から10人の国会議員が駆けつけあいさつ(別掲)しました。与党では民主党(末松義規、小宮山泰子両衆院議員)、社会民主党(阿部知子衆院議員)、国民新党(自見庄三郎参院議員)、野党では自由民主党(下村博文、平沢勝栄両衆院議員、中川雅治参院議員、ほかに菅義偉衆院議員からメッセージ)、公明党(高木美智代衆院議員)、日本共産党(穀田恵二衆院議員、仁比聡平参院議員)の各氏で、それぞれ昨年来、家賃値上げの延期をはじめ居住者の要求実現のために取り組んできたことを報告、今後も高家賃引き下げや定期借家契約導入反対の要求を支持して自治協と連携して取り組む決意を述べました。
 決起集会は午後0時30分の定刻、黒田實財務局長、片岡規子住宅環境部長の司会で始まりました。全国自治協代表あいさつの楓健年代表幹事が都市再生機構家賃部会の内容を紹介、現時点では来年4月に家賃値上げ「当面延期」を解除することはないと述べ、「延期」を継続させるとともに改定ルールそのものの見直しを要求していくことが重要だと強調しました(別掲)。
 基調報告に立った多和田栄治代表幹事は、自公政権下ですすめられてきた公団住宅売却・削減、民営化路線とこれに対抗して公団住宅を守ってきた自治協の運動の意義を述べ、いまこそ公団住宅政策を転換させなければならないと強調、その方向として・「規制改革会議」路線の撤回と抜本見直し・住宅予算の激減傾向阻止・「はじめに廃止ありき」の独立行政法人見直しをやめる・「国民生活が第一」の住宅政策の確立──の4点を提起しました(詳細次号)。
 ついで各地方自治協ごとの決意表明。全国10の自治協の参加者が東京23区、関西、北海道、福岡、北九州、東海、埼玉、神奈川、東京多摩、千葉・茨城の順に舞台に上がり、それぞれ簡潔に活動報告と決意表明を行いました。
 「今後の取り組み」について井上紘一事務局長が提起。・家賃値上げ反対・高家賃引き下げ要求に取り組みの推進、・定期借家契約導入反対の活動の強化、・年明けからの政府の「全独立行政法人の厳格な見直し」に対して住まいを守りぬく活動盛り上げ、・地元選出国会議員への要請と地方自治協等の議会請願への取り組み、・2009年全国統一行動署名の引き続きの取り組み――を提案しました。
 最後に、「集会決議」を興梠信子団地再生対策部長が提案、場内の力強い拍手で採択。国土交通省と都市再生機構への要請団合わせて約80人が壇上に上がり、林守一、鈴木照子代表が決意を述べ、参加者の大きな拍手で要請団を送り出し、総決起集会を閉じました。

楓健年代表幹事あいさつ(要旨)
 2009年全国統一行動への取り組みご苦労さまでした。
 都市機構の基本懇家賃部会は10月28日に開催された。それまでに機構へ家賃値上げ凍結は解除しないよう、凍結ではなく少なくとも3年間は中止するよう申し入れを続けてきた。家賃部会の冒頭、機構理事長は凍結・中止にはふれず、経済状況を見極めながら粛々と実施したいとあいさつした。みなさんの大きな運動で今日現在、来年4月の実施はまずないと断言できると思う。
 民主党議連の末松会長、小宮山事務局長にお願いしたい。昨年、自公政権の基で、機構住宅の家賃値上げはすべきでないと、各党にやっていただき機構は凍結を発表した。凍結した家賃値上げを、鳩山内閣で凍結解除しないことの念押しと、凍結ではなく少なくとも3年間は中止することをぜひお願いしたい。
 つい先日まで「事業仕分け」が行われていた。私たちにとって事業仕分け以上に重要なのは「独立行政法人の見直し」だ。行政刷新会議は基本的に全ての独立行政法人の見直しを徹底的に行うと、今までの見直しでは生ぬるいという方針を明らかにしている。機構賃貸住宅をこれまでどおり公共住宅として守れるかはこれからの運動だ。きょうは全国統一行動の一つの到達点で、年末・年始もこの運動を弱めることなく、公団住宅を引き続き安心して住み続けられる公共住宅として守り続ける運動を全国で繰り広げていこう。そのための決意を新たにする総決起集会を、みなさんの熱意で成功裡に終わらせたい。お出でいただいた国会議員の方々、私たちの運動をぜひご支援ください。


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