総会1日目(20日)は午後2時から渡辺志げ子代表幹事の開会宣言で始まり、議長に青木有倶さん(鶴が台・神奈川)、吉岡栄一郎さん(町田山崎・東京多摩)の両代議員を選出。議事運営委員5名を議長が任命、今総会の開催担当自治協として東京多摩自治協の片岡規子副会長が歓迎のあいさつをしました。
 楓健年代表幹事が全国自治協を代表してあいさつ、「昨年はアンケートを成功させ、機構が計画していた4月からの家賃値上げを延期させた。このことを大きな運動の成果として確認したい。一方で14の住宅管理センターが競争化にさらされ引き続き管理協会がということになったようだが、来年は残りの12が対象になる。来年は果たして今年のようにいくのか、結果として24の住管センターの業務が機構の傘下で行われるのか、民間の手に移るのかということが重要。これから住管センターの業務はたえず競争化に、10月からは機構の中のほとんどすべての業務が競争化される。200万円未満の小修繕、空き家補修修繕がすべて競争入札、植栽の手入れ、クリーンメイトの仕事等もすべて競争化される。競争化を全面的に否定するわけではないが、住宅を造ったところが一貫して管理していくのが望ましい。赤字になるから仕事が続けられないというのは民間では当たり前の論理。団地の管理・修繕を競争入札でとり、その結果採算がとれないでやめた時、その被害を被るのは居住者である。居住者の意見も聞かずに何でも競争入札がいいという新自由主義的な考えは如何なものか。団地の仕事に競争入札はなじまない。お金になるところがほしい。お金にならない団地はいらないという管理のあり方は、居住者の望むものではない。また、機構は地域コミュニティの必要性を唱えながら2割の団地の新規契約に定期借家契約を導入するとしている。限られた契約を結ぶ人たちが地域のコミュニティつくりに参加するか疑問に思っている。厳しい情勢の中、きょう、明日と論議を重ね総会を成功させよう」と述べました。
総会へのメッセージを鈴木照子代表幹事が紹介。自由民主党公団住宅居住者を守る議員連盟会長・伊藤公介衆議院議員、同幹事長・菅義偉衆議院議員、民主党代表・鳩山由紀夫衆議院議員、都市再生機構住宅居住者の住まいを守る民主党議員連盟会長・末松義規衆議院議員、公明党・高木陽介衆議院議員、日本共産党中央委員会、社会民主党党首・福島みずほ参議院議員、国民新党副代表・自見庄三郎参議院議員、国土交通省・和泉洋人住宅局長、独立行政法人都市再生機構・富田利明住宅経営部長、財団法人住宅管理協会・福田秀文理事長、日本総合住生活株式会社・荒田建社長からのメッセージ。さらに全国公社住宅自治会協議会、全国公営住宅協議会、全国借地借家人組合連合会、日本総合住生活労働組合から連帯のメッセージが寄せられました。そして、議事運営委員長の中島政幸幹事が、「代議員総数243名、出席118名、委任122名、合計240名で今総会は成立」と宣言し議事に入りました。
 第1号議案の「2008年度活動経過報告と2008年度活動方針案」の提案では、「私たちの住まいをめぐる情勢と活動課題」を多和田栄治代表幹事が報告。6月16日、日本経団連が規制改革に関する要望を出し、来年3月で設置期限が終了する規制改革会議の継承機関を民間の有識者を主体に設置するべきであるとしたこと、定期借家契約の普及と正当事由の見直しを強調していることなどの動きを紹介。・「規制改革推進3か年計画(再改定)」の新たな公団住宅攻撃 ・公団住宅削減・売却、定期借家化をめざす都市機構の第2期 ・定期借家契約の導入拡大は居住権のはく奪とコミュニティの破壊 ・公団住宅家賃と団地管理のあり方を抜本的に問うとき等について報告がされました。
 2008年度活動経過報告と2009年度活動方針案の提案を井上紘一事務局長が行いました。活動経過報告では、・公団住宅の売却・削減・民営化に反対し、公共住宅として守る活動…規制改革会議の攻撃に立ち向かい、公団住宅と居住の権利を守る活動 ・第8回団地の生活と住まいアンケート活動を成功させ、3年ごとの家賃値上げに反対し「当面延期」を実現 ・2008年全国統一行動 ・「団地再生」問題への取り組み ・住みよい住宅・環境をめざして ・都市機構との定例懇談会、連携等1年間の活動と成果が報告されました。活動方針では引き続き・公団住宅の売却・削減・民営化に反対し公共住宅として守る、・安心して住み続けられる家賃制度に、・修繕・住環境改善の促進、管理業務の充実を要求する等とし、具体的には国交省・国会議員・各政党への要請や話し合い、2009年度全国統一行動、広報・組織・財政活動の取り組み強化などが提案されました。
 第2号議案「2008年度決算報告と2009年度予算案」について黒田實財務局長が決算報告、高崎清治会計監査が会計監査報告を行い、黒田財務局長が予算案を提案しました。
 この後、質疑討論に入り、神奈川自治協の浜見平団地自治会代議員の発言(要旨別掲)を皮切りに12名が発言しました。
 2日目の21日は議事運営委員会からの提案の後、2時間にわたり代議員の討論を続行、24人が発言(2日間で36人が発言)し活発な討論が行われました。
 幹事会からの討議のまとめを楓代表幹事が行った後、第1号・第2号議案について代議員の拍手で承認しました。
 第3号議案「2008年度役員の承認」では藤谷昌男代表幹事が役員名簿を発表、大きな拍手で承認されました。新年度の役員を代表して林守一代表幹事が「公団住宅を取り巻く状況はとても厳しいが、安心して住み続けられる公共住宅として今後も守りぬくため、力を合わせて頑張ろう」とあいさつしました。
 続いて「総会決議(別掲)」案を興梠信子幹事が提案、全員の拍手で採択しました。議長の退任後、中田勝男代表幹事が「来年の第37回定期総会は三重県鳥羽で開催、東海自治協が世話担当です。また1年間、家賃値上げの3年間延期、定借導入問題等力を合わせ頑張りましょう」と閉会あいさつをし、全国自治協第36回定期総会は成功裏に終了しました。


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6政党、住宅局長からメッセージ
117団地自治会から279名が参加
 全国公団住宅自治会協議会は6月20日(土)、21日(日)の2日間、第36回定期総会を栃木県那須高原のりんどう湖ロイヤルホテルで開催、116団地自治会から279名が参加しました。
 昨年12月に「当面延期」とされた家賃値上げの「3年間延期」は今年度の重要な活動課題です。また、都市機構は現地管理業務の民間開放のいっそうの拡大として、現地管理の要である全国26ヵ所の住宅管理センター業務を競争入札とし、7月1日より組織の改編が実施されます。さらに「定期借家契約を幅広く導入」するとして、32の「代表的団地」(計約3万戸)を選定し、今年5月中旬以降、試行的に実施することを発表しています。「団地再生」事業等を行う団地へも導入され、機構賃貸住宅全体の約2割を対象に今後の空き家入居者の募集はすべて定期借家契約で行うとしています。自治会が長年にわたる努力によってつくりあげてきた団地コミュニティを破壊に導くものであり、導入拡大撤回を要求していきます。総会には、6党の党首等からメッセージが寄せられ、これらの問題に言及し全国自治協への支持を表明しました。全員一致で採択した総会決議では「家賃値上げの『当面延期』は3年間延期とし、家賃制度と『改定ルール』を見直し、収入と負担能力に応じた住みつづけられる家賃制度にすることを要求」。また「借家権を無力化し、地域コミュニティをこわす定期借家契約の公団住宅への導入拡大に反対」すること等を決議しました。
 総会では1年間の活動についてその成果を確認し、運動への評価とともに家賃問題、団地再生問題、定期借家契約の導入等36人の代議員が発言、活発な討議が行われました。公団住宅をめぐる厳しい情勢のなか、安心して住み続けられる公共住宅として今後とも住まいを守り抜くため、自治会・自治協がその役割を果たさなければならないことを改めて認識、2009年度の活動方針を採択し役員を選出しました。 

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全国公団住宅自治会協議会第36回定期総会を開催

家賃値上げ3年延期を、定借導入拡大に反対
安心して住みつづけられる公団住宅を