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●第8回団地の生活と住まいアンケート集計結果●

2007年の世帯収入443万円 未満が70.4%……回答率93%!

 今回のアンケートでの年収額についての質問項目は、従来どおり総務省統計局「家計調査・貯蓄負債編(勤労者世帯)」の平成19年調査による所得分位別年間収入によりました(今回のアンケート用紙では、第1分位について、前回までの本調査独自区分方法にもとづく4区分ではなく、公営住宅法施行令の入居収入基準額を参考にして4区分し項目を設定しました。しかし、この集計結果報告書ではその4区分にはふれずに第1分位としてのみ言及します)。
 特筆すべきことは、この項が世帯収入についての質問であるにもかかわらず93%という高い回答率で回答が得られているということです(前回も同じく93%)。不明はわずか6.9%(前回7%)です。

◆第1分位の世帯が7割
 世帯の年間収入(2007年度の世帯全員の税込み収入合算額)は、443万円未満(第1分位)の世帯が70.4%と7割を占めています。第1分位世帯は前回(446万円未満=67.5%)より2.9ポイント増加しました。
 第2分位は10.1%(前回11.6%)で、前回より減少です。第1〜2分位合計は80.5%(前回79.1%)と、8割に達しました。
 公団住宅の施策対象階層は「中堅所得層」とされてきましたが、その第3分位世帯はわずか6.7%で、前回(7.7%)からさらに減少しました。
 第4分位世帯は3.7%で前回より微減、第5分位世帯は前回同率です。 
 この15年間の各分位の割合の推移は上記のようになります。
 このように、公営住宅の入居対象に相当する階層(第1分位と第2分位の一部)の世帯が公団賃貸住宅でも大半を占めています。建てまえと実態の違いがいっそう鮮明になりました。
 団地年代別に第1分位のみの状況を見ると、30年代団地が79.2%と最も多く、次いで40年代団地が73.2%となっています。50年代団地は64%、建て替え団地が62.4%で第1分位世帯の割合が若干少なくなっている反面、第3〜第5分位世帯が30年代、40年代団地より多くなっています。
 地方別の第1分位世帯は、割合の高い順に北海道80.0%、北九州74.9%、関西73.8%、千葉・茨城73.2%、埼玉72.5%、東京23区71.3%、福岡71.3%、東海70.2%、東京多摩67.8%、神奈川63.2%です。

2008年 2005年
第1分位(443万円未満) 70.4% 第1分位(446万円未満) 67.5%
第2分位(443万円〜581万円未満) 10.1% 第2分位(446万円〜589万円未満) 11.6%
第3分位(581万円〜733万円未満) 6.7% 第3分位(589万円〜743万円未満) 7.7%
第4分位(733万円〜945万円未満) 3.7% 第4分位(743万円〜960万円未満) 4.1%
第5分位(945万円以上) 2.1% 第5分位(960万円以上) 2.1%
不明 6.9% 不明 7.0%



◆世帯収入の主な内容―「年金中心」がトップ、年金受給者は半数突破

第1回以来ずっとトップだった「給料が中心」が前回アンケートで「年金が中心」にかわりましたが、この傾向はいっそうすすみ今回は「年金が中心」が36.3%、前回より3.8ポイント増えています。「給料が中心」は29.6%で前回より2.5ポイント減りました。「給料と年金」「年金とパート・アルバイト」を合わせると54.6%に達し年金受給世帯が半数を突破しています。

◆家賃の負担をどう感じているか?……69.8% が「たいへん重い」「やや重い」

 「家賃の負担について、どのように感じておられますか」との問いについての回答は、「たいへん重い」33.6%(前回30.0%)「やや重い」36.2%(前回35.7%)で重いと感じている方が増加しています。世帯収入の実態や、年金生活者が急増している状況の反映であることは明らかです。
 団地の年代別では、建て替え団地で「たいへん重い」41.2%、「やや重い」34.8%と76%、4分3の世帯が重いとしていますが、50年代以降団地でも「たいへん重い」37.5%、「やや重い」39.6%あわせて77.1%が家賃の重さを訴えています。
 「たいへん重い」「やや重い」の両項目の合計を地方別にみると東京23区で83.1%、東京多摩76.0%、関西は70.6%を占めそれぞれ増加しています。
 今後の改定についてどのように考えてますか」(複数回答)では、「値上げせず据え置きを」が46.9%ともっとも多く、「引き下げ」が27.4%です。近く機構が実施しようととしている家賃改定に対して「据え置き」または「引き下げ」をあわせて実に74.3%が要求しています。「ある程度の値上げはやむをえない」はわずかに2.0%でした。
 今後の家賃のあり方についても「収入にみあった負担できる家賃に」が25.8%、「高齢者世帯への家賃減額措置を」が37.0%に達しています。

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