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住まいは福祉・住まいは人権
安心して住みつづけられる公団住宅をめざす
2023年全国公団住宅居住者総決起集会を開催



 全国自治協は12月6日、2023年全国統一行動のしめくくりとなる「安心して住みつづけられる公団住宅をめざす2023年全国公団住宅総決起集会」を東京千代田区の日本教育会館大会議室で開催しました。今年もコロナが感染法上5類に移行したとはいえ、各自治会からの参加者の人数を限定して会議室での開催となりました。当日まで全国から集まった署名は10自治協208団地約10万7千名、集会には99団地177名の参加を得て会場はいっぱいとなり熱気あふれる集会となりました。
阿部京子幹事の司会で定刻に始まり、全国自治協を代表して青木有倶代表幹事が挨拶を行いました。
たいへん多忙ななか駆けつけていただいた自由民主党公団住宅居住者を守る議員連盟会長の平沢勝栄衆議院議員、立憲民主党「UR住宅居住者を支援する議員連盟」会長の末松義規衆議院議員、会長代行の小宮山泰子衆議院議員、事務局長の早稲田夕季衆議院議員、日本共産党田村智子参議院議員から激励のご挨拶を頂きました。また自由民主党公団住宅居住者を守る議員連盟事務局長の小倉将信衆議院議員、公明党UR住宅等の居住の安定等推進委員会事務局長の竹内真二参議院議員からはメッセージをいただきました。
多和田栄治代表幹事が基調報告を行ったあと、今年も10の各自治協代表が第13回団地の生活と住まいアンケート、統一行動署名の取り組みなどでの学習・宣伝、苦労や成果などこれまでの活動を紹介しながら決意表明を行い、大きな拍手につつまれました。興梠信子事務局長が今後の取り組みの提案を行い、谷代久恵幹事が集会決議を読み上げて提案、大きな拍手で確認・採択されました。国土交通省、都市機構本社への要請団を代表して角和子、鈴木照子代表幹事が挨拶を行い、廣田政典幹事の閉会挨拶で集会を終了し、要請団の出発を見送りました。
集会参加できなかった方も多いことから、集会の模様はユーチューブで配信しました。
 




◆青木代表幹事あいさつ(要旨)

新型コロナウィルス感染症が5類になったとはいえ、まだまだ安心できる状態ではないため、今年も各自治会代表参加の決起集会となりました。
今年は「第13回団地の住まいと生活アンケート」を実施しました。居住者の高齢化がすすむ中、今後も公団住宅に住み続けたいと思っている方は80%に届く勢いです。安心して住み続けられる公団住宅のために、家賃の減免実現めざして強く訴えていきましょう。


◆基調報告(骨子) 多和田代表幹事

第13回団地の生活と住まいアンケートは、さまざま困難ななかみんなで取り組み、全力をあげた。70歳以上の世帯主が63%、年金受給者が7割、年金だけがたより47%、1人世帯が47%と一番多い。収入は当然のこと下がってきている。所得を五分位に分けて、政府は第Ⅰ分位が大まかに言えば公営住宅、第Ⅱ・第Ⅲ分位が公社・公団としていたが、いま公団住宅の居住者は52%が第Ⅰ分位となり、暮らしは大変苦しい。物価の高騰、家賃の支払い、食をけずり、病院も控えて身を削る思いで生きている。この現状をどう打開するかという問題が問われている。
都市基盤整備公団になったとき1999年、原則は市場家賃となるが、家賃が払えなくなる世帯には減免すると決めた。それまでは家賃値上げは国会承認が必要だった。その時も「市場家賃はやむを得ないとしても、家賃が払えない人は追い出すのか」と活動し減免条項をつくったのは自治協の力だったという歴史がある。しかし、法律は作らせたが、残念ながら、法律を実行する政府を作らないできた。大事なのは実行する政府である。
法律で減免を決めながら、実行しないどころか、家賃をもっと上げろ、団地を削減して民営化しろ、修繕費は3年間で10%カットしろと命令したのが第2次安倍内閣の閣議決定である。法律を棚上げして、私たちの生活を苦しめ、都市機構をしばっているのは閣議決定である。閣議決定は、それをなくす閣議決定がないかぎりなくならない。安倍内閣の閣議決定をなくすという政府をつくらないかぎり生きている。
民主党政権も公団住宅民営化には肩入れをしていた。分割・特殊会社化の閣議決定をしたが、2012年総選挙でやぶれて、第2次安倍内閣にかわると、民主党内閣の閣議決定の「凍結」を決め、第1次安倍内閣で検討した「三カ年計画」に基づく新たな改革案を閣議決定した。
法律をつくったのは国会である。私たちが何度も何度も要請しているにもかかわらず、そっぽを向いて、国会としての役割を果たしていない。都市公団法成立のときも、国会は全会派一致でわざわざ家賃減免の実行を附帯決議している。それがやられていないのが現実である。そこをはっきり認識しておかなければならない。そういう状況をつかんだうえで、どう要求実現をはかっていくか、このことをたえず居住者にもお知らせしていくことが必要である。
機構法25条4項の家賃減免の理念は、憲法25条の生存権から来ている。それを住宅の面で保障するのが公営住宅法であり、公営住宅入居基準に相当する低所得世帯には国民だれもが保障をうける権利を有し、国と自治体は保障する義務があると定めている。公団住宅に中間所得層が入居しても、事情で所得が落ちこむことは当然考えられるし、公共住宅として「払えなければ出て行け」とは言えないから、「居住者が高齢者、身体障害者その他の特に居住の安定を図る必要がある者で、規定の家賃を支払うことが困難である場合は家賃を減免する…」とし、「そのまま住んでいいですよ、公営住宅並みの家賃に減免します」と決めたはずである。大臣もそう答弁している。中身はっきりしているがそれを実行しない。そればかりか、第2次安倍内閣は「家賃収入をもっと上げろ、アベノミクスで家賃は上がる。値上げしやすいルールに変え、各戸ばらばらに値上げせよ。募集家賃も引き上げ、団地再生と称して、まだ十分使える団地を壊し再開発で金儲けせよ」と閣議決定をし、それが今も政府にとって絶対の方針をなしている。機構はそれに従っている。
国会・政府が家賃減免せよと言えば、ただちに機構は実行する。その意味でも機構は、一面では敵であり、一面では仲間である。機構は、公的役割を担っていること、居住者への責任として、政府に家賃減免の実行を申し入れろと決議案に一項入れている。これを共通の理解にしたい。
同時に高齢者、低所得者、外国人等の居住は困難になってきている。他方、住宅弱者にたいする住宅施策はますます後退している。厚労省・国交省・法務省の3省は、居住確保の審議会を進めており、住宅需要がますます高まるとのデータを示しながらも、政府が直接責任をもって対処する姿勢はほとんど見られない。大変とはいいながら、何をやるのかと思ったら政府自身は何もやらない。自助努力と地方自治体のせいにするだけ。押しつけられる、たとえば宮城県等では県営住宅の廃止を始めていて、大臣は「それは県がお決めになること」他人ごとである。65歳をすぎると街の不動産屋さんは相手にしてくれない。
公団住宅に入居してくるのは家賃が安いからではなく、そこしかないから。公的住宅が求められていながら、国はそれを減らし、つぶし、売却してミニ開発の種地にすることばかりが進んでいる。
ここまでくれば、われわれがなすべきことははっきりしている。その意味では分かりやすい世の中になっていきている。迷うことなく頑張るしかない。
いま毎日、ウクライナやパレスチナで人が殺され、住宅が壊されている。ただちに戦争をやめろと声をあげ、同時に大軍拡・大増税ではなく、くらしと住まい、平和を守る日本の政治であってほしいという願いをこめて決議したいと思う。




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