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安心して住みつづけられる公団住宅をめざす
2021年全国公団住宅居住者総決起集会を開催
都市機構へ署名提出・要請
 都市機構への署名提出・要請は、全国自治協役員と地方自治協の代表総勢25 人が大型バスで横浜の都市機構本社へ行きました。機構は倉上住宅経営部長、水野ウェルフェア総合戦略部長、間瀬ストック事業推進部長らが応対。全国220団地で取り組まれた中島正弘理事長宛7万6,164世帯12万4,811人の署名を提出しました。
 鈴木代表幹事が、2年ぶりに開催できた2021年全国公団住宅居住者総決起集会の報告と機構法25条4項「家賃の減免」の実施と家賃引き下げ、年金で住み続けられる家賃制度を要求等の五つの署名項目について要請しました。この後、10地方自治協の代表が要望や意見を述べました。最後に都市機構を代表して倉上住宅経営部長があいさつしました。
 
…… 各地方自治協代表の発言(要旨) ……
 非会員も含めた居住者の署名をお届けした。中層団地は50 年前後を経過し高齢者が多い。浴室のアルミ扉を折り戸に換えてほしい。階段手すりの途切れをなくしてほしい。消火器の設置を。団地再生では方針が決まってからではなく事前に住民と対話を。安全安心のため災害時の避難場所に集会所を指定してほしい。コミュニティの活性化で企画等を機構と一緒にしていきたい。生活支援アドバイザーは高齢者が安心して生活出来るので今後ともよろしくお願いしたい。

▼関西 特にお願いするのは家賃の引き下げ。フローリングの騒音で住民同士でもめごとがあることも。

▼東海 昨年のアンケートから、風呂が深くては入れないので浅型にしてほしい。現在は模様替え申請後自己負担だが、退去するとURのものになり、そこに入居する人もいるのでURが設置してほしい。多機能便座も自己負担、これも次の入居者が得する。これらを以前のようにライフアップでできるようお願いする。団地の約4分の1ある空家の解消をお願いする。植栽伐採後の方向性を出してほしい。社宅入居でベトナム人が多くなった、その対策を住まいセンターと一緒にやっていく。自転車・バイク対策をきちんと。介護ヘルパー等が駐車するスペースを。洗濯機置き場の水漏れ等の問題も。

▼神奈川 高齢の女性一人世帯が増え、コロナ禍で若い世帯等も含め収入が減り生活が厳しく、機構法25 条4項「家賃の減免」の実施が痛切に望まれる。URは6項目実施していると言うが、第2項の規定に拘わらず家賃の支払いが困難なときに減免ができるとなっており、実施しなければならないこととして求める。また室内修繕は社会的水準に大幅に遅れている。実施を望む。環境劣化の対応・見直しもお願いする。以上3点、長年住み続けてコミュニティを築いてきた居住者の重要な問題、実現をお願いする。

▼埼玉
 大半が高齢者世帯で年金のみの方、年金が少なくパート等をしている方が、コロナでそのパート等が減らされ収入減、たいへん厳しい。若い世帯も仕事が減り減収になった、あるいは仕事がなくなった人がいる。居住者で仕事が少なくなり家賃の支払いが厳しいとセンターに相談したが、対応してもらえなかったと自治会に来た。ぜひ家賃の減額をお願いする。埼玉では4団地が集約となり、移転は同じ間取りで同じ階となっているが、高齢者はこの機会に1階へ移りたい方が大半。ぜひ考えて頂き終の棲家として住み続けられるようにお願いする。

▼千葉・茨城 千葉・茨城自治協では今回、約1万6千世帯2万5千人分の署名を集約した。自治会へは住環境、包括支援等で高齢ひとり世帯からの相談が多い。署名を集めながらもこれを痛感した。地域医療福祉拠点化を推進して頂き、安心して住み続けられる団地にして頂きたい。家賃の減免を要求する。団地別整備方針の点検と借家権の確認をする。全ての団地の修繕・住環境整備の促進等を一日でも早く願う。

▼東京多摩 2000年から毎年9月に各団地が一斉に空家調査を実施、一向に空家が解消されない。南多摩管内では空家が2~3割を超えているところが多い。家賃を下げ、空家解消を。2006年に家賃が引き下げられた団地では、翌年に空家が半分になったのでぜひお願いしたい。コロナ禍の今年、多摩では1月から3回にわたり募集家賃が上げられた。千円~3千円、6千円上がっているところもある。入居状況が良いから募集家賃を上げると言うが、良くしているのは自治会であり値上げをやめるよう強く要望する。

▼東京23 区 入退居が多いが訪ねても表札が出ていない、出してほしいと思う。家賃が高く安心して住めないと近所の知り合い4世帯のうち民間へ2世帯、都営住宅へ2世帯が越した。他にも安いところへ移りたいと思っている方は多い。連れ合いが亡くなると厳しく、住めない方も出てきて非常に将来が不安だ。また見守りサービスは非常に良いと思うが固定電話がないとダメ、これが改善されれば利用者が増えるのでは。

▼ 北海道 288人のミャンマー等の外国人と一緒に暮らしている。コミュニケーションに苦労し、以前、若い女性に浴衣を着せ盆踊りをしたり、生け花、習字もしたりした。また朝晩のあいさつでコミュニケーションが大分良くなった。以前はトイレの窓からペーパーの芯が飛んできたのが今はなくなった。交流がコロナで中断して残念。見守りの件では、単身世帯で鍵3本を自分だけで持っている人が、近くの24時間対応病院に鍵を預け、緊急時にはそれを取りに行くという協定を結んだ。鍵の預かりをセンターと連携して進め17 世帯が預けている。現在は暖房料金が問題になっている。灯油もガスも値上がりし、使用量に拘わらず統制価格で上下し昨年より3千円も高くなった。東急コミュニティに詳細等分かりやすい説明をさせてほしい。また40 年以上メンテナンスがされずバルブが回らない・回せない等、暖房設備の点検を求める。

▼北九州 自治会役員が市内31 団地から署名を集めた。世帯数は少ないが全団地が協力した。コロナ禍、高齢者中心のサークル等が集まれなくても連絡を取り合ったりしている。自治会役員はサークルの提出書類で支援をしている。独居の高齢女性が増え、年金が少ないからか介護保険を勧めても受け入れなかったり、サークル等の参加を躊躇して引きこもりも多い。年金が少ない人の家賃減額をお願いする。集会所やEラウンジの改修もお願いする。緊急連絡先が曖昧な人が多く、連絡先記入の際に承諾書等で明確にさせ、緊急時に対応できる体制の構築を。自治会は生活支援アドバイザー、包括等と連携し体制を築いてきた、安心して住める団地にしていきたい。


倉上住宅経営部長あいさつ 

感染拡大の中でもみなさんの安心・安全を第一に感染対策を講じ通常業務を継続してきた。先ほど頂いた要請書、ただ今の各地方自治協代表のご意見・ご要望は貴重と認識、中には難しい問題もあるが今後の業務運営の参考に致したい。先日、全国自治協の機関紙でURの管理に評価を頂く記事を拝読した。URの令和2年定期調査でも団地内清掃に8割超の方が満足と評価、管理・環境面も満足度が前回5年前より5%以上上昇した。引き続きお住まいの方に満足頂けるよう管理していきたい。10月の地震の際、ある団地では自治会役員がツイッターで居住者の不安を解消する情報を発信されていた。夜間のため団地の状況や自治会の活躍が手に取るように分かり大変安心した。若い方になじみの方法で団地情報を発信することで活動の新たな可能性も感じた。全国自治協との話し合いの歴史は約50 年を迎え、お互い意見が異なることがあっても信頼関係があってのことと受け止める。ご理解・ご協力を賜りたい。




国土交通省へ署名提出・要請
 日本教育会館の総決起集会を終えて、国土交通省要請団は署名をバスに積み込み国土交通省に向かいました。署名の提出・要請は8階の会議室で行われました。国土交通省は淡野住宅局長、石坂内閣官房審議官、門元民間事業支援調整室長が応対し、220団地74,273世帯121,853名の署名を提出しました。
 テーブルに積み上げられた署名を前に、石川代表幹事が総決起集会では各党の国会議員から激励のあいさつがあったことを報告し、「居住者ひとりひとりが5項目の切実な要望を託した署名であり、この願いを受け止めて政策に反映してほしい。安心して住み続けられるよう家賃の減免実現を要望する」と要請しました。
 淡野住宅局長は、「本日は7万世帯12 万を超える貴重な署名をお持ちいただいた。日頃からコミュニティの形成にご尽力いただき感謝する。URにおける取り組みについては丁寧に進めていくことが大切であると考えている。団地には良好なコミュニティがあり、安心して住み続けられる環境整備が重要。2021年度補正予算では、複層ガラスへの交換や緑豊かで子育て環境に優れた団地に近居割の拡充(20%減額)を実施。また来年度はセーフティネット登録住宅における家賃低廉化がUR団地もできるよう働きかけていく。高齢者等の施設誘致も引き続き支援していく。URともしっかり連携して安心して住み続けられる環境を進められるようにしたい」とあいさつ。石坂審議官は「10数年前、行革の嵐の中で専門官として皆様の署名を受け、勇気をもらい、力づけられ、その署名を背に頑張ったことを思い出した。8月にお会いし家賃問題の要請を受け、URでもセーフティネット住宅制度を活用していくことを少しでも一歩一歩進めていくために各自治体へ働きかけを行っていく」とあいさつの後、北海道から九州までの各自治協から参加した役員が順に発言しました。
…… 各地方自治協代表の発言(要旨) ……
▼北海道 労働不足を補うためアジアからたくさんの外国の方が団地に入居している。コロナ禍で新たに働きに来る方は入国できないでいるが、自治会の取り組みでお互い理解が進んでいる。また地方から入ってくる人も多く、住み続けられるよう、そこで安心して年をとれるようにしてほしい。

▼東京23区 高島平二丁目では昨年のアンケートで65歳以上72%、一人暮らし64%、収入がたいへん厳しく、女性の年金だけでは暮らしていけない。貯蓄を取り崩しながら何とか生きている状況である。妻の年金だけでは家賃が払えないため追い出されてしまうことに。

▼東京多摩 1,682戸の団地で空き家が585戸になる。ストック再生ということでひっかかっており、修繕がされない。塗装もされずベランダ手すりなどはふとんを干すのもたいへん。最低限住めるように改善してほしい。

▼千葉・茨城 海辺に建つ団地の悩みは津波の心配。茨城は川の氾濫で公団住宅を仮の住居として利用している。公団住宅の役割である。高齢化が進み4階5階は階段を昇る体力も気力もない。空き家が多い。中層エレベーター設置の補助を、切実な願いである。家賃値下げを真剣に考えてほしい。

▼埼玉 約2,000戸の団地で70歳以上が1,500名。2人のときはいいが、1人が亡くなると年金収入が減って、年収150万円以下が4割以上になっている。またお年寄りが増えていく。埼玉としては家賃は安い方であるが、機構法25 条4項の家賃の減免実施を切にお願いする。

▼神奈川 団塊の世代が75 歳以上になってきて高齢化率が上がっている。独居で亡くなる方も増え、1人暮らしで引きこもりも多い。徘徊もおきる。何が不安かというと夜ひとりになったとき。緊急連絡先、センサーや見守りなどの対策を。地震の備えも必要。URは危機意識が低い。終の棲家として住み続けられるようにしてほしい。

▼東海 保見団地は全員が外国人になりつつある。知立団地はトヨタ系の会社に勤める外国人がほとんどになり日本人は高齢者のみとなった。「50年前はとても環境のいいところだった。今は最悪だ」という声もある。職を無くした外国人に手続きのための書類の書き方などを教えたが、事件もありパトカーが来た。外国人社会にはとても住んでいけない。

▼関西 機構法25条4項家賃の減免、家賃引き下げを求める。7割が年金生活となる。平均年収400万だった方の年金は老齢厚生年金、老齢基礎年金合わせて166万円で月額13万8千円。年収800万では、年金額は223万円で月額18万6千円となる。都市部の家賃は12万円から16万円で夫婦の年金を合わせてもきびしい。機構は人気がある団地の募集家賃を値上げしており、継続居住者にも及ぶことを危惧。公共住宅としての役割を十分果たしてほしい。

▼北九州 地域医療福祉拠点化団地になり助かっている。コロナ禍で団地から感染者が出ないようにイベント等はやれない。会場もダメと言われるが、もう少し取り扱いを柔軟にしてほしい。高齢者ひとり暮らしの女性が多く、生活が出来なくなってきており家賃の減免を実施してほしい。民生委員をやっているが生活支援アドバイザーと、対象の方に連絡をとれるように連携を強めたい。

▼福岡 第12回団地の生活と住まいアンケートでは65 歳以上が70%、収入が年金だけが36.7%、家賃負担が重いが75%に。憲法25 条で文化的な生活の保障をうたっているが、高齢者は「医・衣・食・住」となり医療負担が2割になってくる。家賃の減免実施をお願いする。住宅の改善要望も支社ではすべて予算がないと言われる。困っている人に気持ちを寄せないのが悲しい。カーボンニュートラルに積極的な取り組みを。


 最後に門元室長が「貴重なお話しをいただいた。機構法25条については隔たりが大きいことから引き続き議論できればと思う。それ以外の居住者の生活支援などのことも大きく、地に足のついたきめ細かな対応は、自治会の皆さんに負うところが大きい。今何ができるかを考えて、セーフティネット住宅としてURの活用を考えている。5項目についてはしっかりと受け止めURと連携していく」と述べ要請を終えました。


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