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安心して住みつづけられる公団住宅をめざす
2016年全国公団住宅居住者総決起集会を開催
 2016年12月8日、全国自治協は2016年度全国統一行動の締め括りとなる「安心して住みつづけられる公団住宅をめざす・2016年全国公団住宅居住者総決起集会」を東京千代田区の日本教育会館・一ツ橋ホールで開催しました。
 全国から140団地771名が参加し、「住まいは福祉・住まいは人権」を掲げ、機構法25条4項「家賃の減免」条項の完全実施を、公営住宅入居資格者には公営住宅家賃制度の適用を、高優賃居住者の継続居住保障をと熱気あふれる集会となりました。
 当日は、全国から集まった2016年全国統一行動署名約17万5,000名分を集約し、要請団が都市機構本社、国土交通省住宅局へ提出・要請しました。
 集会は中島政幸、片岡規子両幹事の司会で始まり、まず全国自治協を代表して都市機構経営基本問題懇談会家賃部会委員でもある楓健年代表幹事が「来年4月からは入居日での家賃見直し、毎月どこかの団地で値上げが行われることになる…各団地で新たな運動を目をつり上げずに笑顔で楽しく進めていただきたい」とあいさつ(別掲)しました。
 多忙な中、駆け付けていただいた自由民主党・秋元司衆院議員(公団住宅居住者を守る議員連盟事務局長)、公明党・富田茂之衆院議員、民進党・大島九州男参院議員(旧公団居住安定化推進議員連盟会長)、日本共産党・本村伸子衆院議員ら13人の各党国会議員からあいさつ(別掲)をいただきました。また、自民党・田中和徳衆院議員(同議連顧問)からメッセージが寄せられました。
 来賓あいさつの後、多和田栄治代表幹事が基調報告を行いました(別掲)
 続いて今年は関西自治協をトップに、10自治協が次々と壇上に上がり決意表明を行いました。興梠信子事務局長が今後の取り組みを提起、谷代久恵幹事が集会決議(別掲)を読み上げて提案し、大きな拍手で採択しました。最後に国土交通省と都市再生機構本社への要請団が壇上に上がり、団長の林守一、渡辺志げ子両代表幹事がそれぞれ決意を述べ、会場の大きな拍手に送られて署名を抱えた要請団が出発。全国総決起集会は成功裏に終了しました。
◇楓代表幹事あいさつ(要旨)
 昭和45年に突然、当時の根本竜太郎建設大臣が新旧住宅間の家賃格差解消のため家賃値上げをすると発表、東京九段の日本住宅公団本社前で緊急決起集会を開いた。それ以来、毎年、総決起集会が続けられている。
 昨年、都市機構は私たちの願いに反して家賃改定ルールを大幅に見直しした。3年ごとの一斉値上げから2年後ごと(最短2年)の個別値上げに改悪した。この結果、自分の団地で何戸の住宅がいつ家賃値上げされているのか分からない状況になる。
 低所得高齢者の家賃値上げに伴う特別措置については、従来の月額所得15万8,000円を10万4,000円と15万8,000円に分ける改悪案を出してきた。もしも10万4,000円になっていれば、減額対象から外される人がたくさん出たはずだ。しかし、私たちは各党国会議員の支援を得ながらみなさんと共に運動し、従来の15万8,000円を維持させることが出来た。今年度については全国何処の団地も値上げをさせないという大きな成果を挙げた。ただ、来年の4月からは、入居日での見直しで毎月のようにどこかの団地で値上げが行われることになる。
 大家の都市再生機構、元の日本住宅公団を田中角栄元首相は「赤字国債の150兆円は大したことはない。国鉄、電電、住宅公団を民営化すれば良い」と述べた。国鉄、電電は分割民営化されたが、今も残っているのは当時の公団だけ。これを守り抜いた中心は私たちの運動、これまでの運動に自信を持って進めていこう。
 11月25日に家賃部会が開かれた。現在の家賃部会は規模を縮小し委員は8名に減らされた。当日機構に対し発言をしたのは私だけ。以前の家賃部会で高齢居住者・年金生活者が増えていると発言すると、座長は今諮問されているのは家賃値上げをどうするかで居住者実態ではないと言われた。家賃値上げを跳ね返すのは居住者が一体のなった運動だ。きょうの総決起集会はその節目、各団地で新たな運動をあまり目をつり上げずに笑顔で楽しく進めていただきたい。
◇基調報告(骨子)  多和田代表幹事

1. 家賃値上げルール改悪の問題点と運動の成果
〇算定基準の変更―消費者物価指数から機構業者の査定へ
〇値上げとともに、値下げくい止めの「理由」づくり
〇3年ごと一斉改定から、2年ごと各戸ばらばらの値上げ通知―借家権を弱める
〇低所得高齢者等への特別措置の廃止・縮小案を取り下げ
2. 公団住宅の売却・削減、団地統廃合の加速化
〇団地処分の基準は団地ごとの収益性(47万戸維持・投資、28万戸削減・統廃合)
〇2018年度内に5.5万戸を削減し、全団地について団地別処分方針を確定
〇団地の主人公は居住者。計画づくりに構想段階から自治会参加を要求、合意が条件
3. 2013年閣議決定 ≠ 2016年政府の「新たな住宅セーフティネット」政策
〇2013:公団住宅の売却・削減、家賃値上げの最大化、高齢者措置の廃止・縮小案
〇2016:「公営住宅は住宅セーフティネットの根幹」「民間空き家活用による補完」「家賃低廉化を支援」
4. 私たちの要求
①機構法25条4項「家賃の減免」条項の実施(11月21日、国交大臣が国会答弁「適切な家賃減免措置を講じていきたい」)
②公営住宅入居資格世帯は公営並み家賃に(高優賃居住者の継続居住を保障せよ)
③公団住宅を守れ。収益本位の売却・削減は、住宅セーフティネット拡大方針に逆行
5.まず機構財務の異常な構造に抜本見直しのメスを
〇高家賃の根源は政府の高金利=家賃収入の27%(公団住宅 1.377%、リニア新幹線0.6%)
〇空き家増大の放置、家賃収入の減額(月67,700円×8万戸=650億円)
〇賃貸住宅業務の純利益の大半を再開発事業の赤字穴埋めに流用(修繕費は徹底カット)

◇今後の取り組みについて

〇2016年全国統一行動の活動の到達点を確認し引き続き活動を強めましょう。
○学習宣伝を強め、機構法25条4項の実行、公営住宅法の趣旨に準じた家賃制度へ改善を求める私たちの要求と運動に確信を持ちましょう。
○加速する収益本位の団地統廃合、公団住宅の削減・売却に反対し、居住の安定を第一に、自治会との十分な話し合いを要求しましょう。
○地方議会、首長、地元国会議員等への働きかけを強めましょう。
○コミュニティを発展させ、自治会・自治協の組織強化をはかりましょう。
◇集 会 決 議

 私たちは本日、全国統一行動の山場として2016年全国公団住宅居住者総決起集会を東京・一ツ橋の日本教育会館ホールで開きました。本集会には全国各団地自治会を代表して140自治会771人が参加し、居住者一人ひとりから託された都市機構理事長および国土交通大臣あての要請署名を持ちよりました。署名は集会終了後それぞれに提出します。
 全国統一行動は、「住まいは福祉・住まいは人権」をかかげ、安心して住みつづけられる家賃制度を要求、団地の売却・削減に反対し、修繕・住環境改善の促進を求めて多彩な運動を展開してきました。
 なかでも、昨年から本年にかけては機構の家賃改定ルール改悪にたいする取り組みを強めてきました。この運動をつうじ低所得高齢者等への家賃特別措置の廃止・縮小案を断念させるとともに、機構法25条4項の「家賃の減免」条項実施を要求する運動に発展させました。
 団地の売却・削減については、機構はすでに全体の削減方針と収益本位の削減基準を決め、いくつかの団地の集約に着手しはじめ、団地ごとの再生・再編計画は2018年度内確定をめざし、具体的な策定にはいっています。団地の主人公は私たち居住者です。団地別再編計画づくりには構想の段階から自治会が参加し、地元自治体をまじえ十分協議し、居住者の合意を得るのは当然です。自治会は、団地の将来にむけて積極的に居住者の要望を反映させ、提起をしていきます。
 2013年の閣議決定は、公団住宅にたいし家賃収入の最大化を求める家賃改定ルールの変更、収益本位の資産売却、団地統廃合の加速化、住宅修繕費の徹底削減等を指示し、機構はそれらを強行してきています。それとは裏腹に、いま政府は、「新たな住宅セーフティネット機能の強化」をかかげ、公営住宅はその根幹とする立場を明確にしたうえで、民間借家、とくに民間空き家の活用と家主には家賃低廉化のための支援を制度化しようとしています。
 政府も認めるとおり、家賃負担が困難な高齢者や子育て世帯が増大し、住宅セーフティネット拡大の必要性はますます高まっています。家賃の低廉化と公共住宅の供給促進はいまや緊要の政策課題であり、機構がすすめる公団住宅削減、高家賃化は、それに逆行する暴挙といわざるを得ません。
 私たちの住まいを守る必死の運動が、政策上の問題点を鮮明にし、情勢を切り開いてきています。居住者の結束を固め、世論に訴え、国政を動かして、要求実現を果たしましょう。
 私たちは本集会で、つぎの要求事項をまとめ、その道理と実現の道筋に確信をもって、ひきつづき自治会活動を強めることを決意しました。
  記
一、都市機構法25条4項「家賃の減免」条項を完全実施すること。
一、公営住宅入居資格者には公営住宅家賃制度を適用すること。
一、高齢者向け優良賃貸住宅居住者の継続居住を保障すること。
一、公団住宅の売却・削減に反対する。
一、団地再生・再編計画づくりには自治会が参加し、合意を得ること。
 以上、決議します。                                       
                                                 2016年12月8日
                                安心して住みつづけられる公団住宅をめざす
                      2016年全国公団住宅居住者総決起集会

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