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公団住宅の売却・削減、民営化に反対 公共住宅として守ろう
2011年全国公団住宅居住者総決起集会

◆都市機構へ23万2,839名分の署名を提出、要請
 都市機構への署名提出・要請は全国自治協役員と地方自治協代表総勢60人が恒例の大型バスで横浜の都市機構本社へ向かいました。都市機構は富田利明住宅経営部長、石渡廣一団地再生部長らが対応。小川忠男理事長あて12万1,584世帯23万2,839名の署名を積み上げ、渡辺志げ子代表幹事が署名項目の要請と全国総決起集会の報告を行いました。

各地方自治協代表の発言(要旨)
●北海道自治協=用途転換団地の居住者約100名に周辺住民を含め計633名の署名を持参した。これについてひとことコメントをいただきたい。 
●東海自治協=S43入居、3,090戸うち15%が空き家、毎月増加している。ゴーストタウンにするのかと支社に申し入れ、テレビ・コマーシャルもやっており魅力あるものにしてほしい。家賃を下げ2戸貸し等で部屋を広くして単身者ではなく家族世帯を入れてほしい。
●関西自治協=建て替え後23年目、戻り入居者が多く高齢者も多い。102歳で54年住んでいる方も。室内は壁紙がはげふすまはバラバラ、窓枠の木部は腐食、給湯器は壊れないから23年前のまま、畳もすり切れている。本人負担なので修繕が行われず我慢し続けており、54年住んでいる功労者の修繕・計画修繕項目の見直しをしてほしい。
●北九州自治協=北九州約50団地のうち27団地からの署名を持ってきた。門司の用途転換4団地は来年3月が移転期限、居住者と十分な話し合いが行われ要求がかない喜ばれている。徳力団地では中層エレベーターが7棟26基着き、スロープで1階ベランダから車椅子で入れる世帯が7戸、とても喜ばれている。住管センター等とうまく連携が取れており管理の民営化は止めてほしい。
●福岡自治協=建替住宅、家賃を1万円下げてほしい。家賃負担が重いが7割、住み続けたいが半分以上いる。夜中までJR貨物、幹線道路、さらに空路の下にも位置し騒音で悩まされ空気も悪いことが家賃に反映されているのか。高家賃を引き下げてほしい。
●東京23区自治協=S36年入居、建て替え後団地で高齢者がたいへん多い。公団の役割は終わったと言うが高度成長期に入居した人がまだたくさん住んでおり、この人たちが生きている限り役割は終わらない。住民といっしょに国の機構つぶしを跳ね返してほしい。建て替え後の半額措置はたいへんありがたいが、途中で所得基準が15万8,000円になり、住民間にアンバランスが生じている。同一団地なので統一した基準にすべきだ。
●東京多摩自治協=多摩のアンケート結果では、60歳以上の世帯主約70%、長く住み続けたい66%、家賃負担が重い75%となっている。9月の空き家調査の結果では空き家が10%を超えている団地が10数団地に増えた。建て替え後団地が多い。高家賃を引き下げ空き家をなくし長く住み続けたいという人たちが安心して住める団地にしてほしい。
●埼玉自治協=全面建て替えの松原団地の要望を、・居住者の高齢化が進み、50・までの半額措置は喜ばれている。しかし4〜5期は公営住宅法の改正等で家賃も上がるのではと心配しており、1年後には説明会を開催してほしい。・余剰地を売却しないで防災公園や広場等にしてほしい。また、今あるグランドもこのまま残してほしい。
●神奈川自治協=被災者受け入れで8世帯が入居した。着の身着のままの被災者を自治会でフォローするにもまったく情報がなく手探りで探し、役所等の情報一覧表を作って被災者へ渡した。URとの連携はまったく取れず、災害時のお互いの役目を整理すべき。
●千葉・茨城自治協=3月11日、取手は震度6弱。団地はほとんど損傷がなく安心。福島から25世帯が入居し、自治会が双方から物資等を登録してもらい支援し大変喜ばれた。近郊では戸建て住宅200戸が崩壊、また大地震が起こるかもしれない時にUR住宅削減の見直しを求める。85%が住み続けたいと、しかし一方的に集約団地にされ計画の見直しを。放射能問題で多くの若い世帯が引越しを考えておりURも除染をやってほしい。
富田住宅経営部長あいさつ(要旨
 地方自治協の皆さんの声を直接聞く重要な機会。機構は毎年改革の嵐に見舞われ、そのたびに皆さんから厳しい意見・要望を承るが、団地や機構のことを心配してと実感している。特に競争化では様々な問題が生じていることを定例懇談会でも聞いている。震災復旧・復興、被災者受け入れの話を含め、行き過ぎた競争化を見直すきっかけになるのではと考えている。震災被災者・地域コミュニティ等の実態は声を大にして訴えていきたい。
 大震災を契機に非常時の防災・地域コミュニティのあり方について、阪神淡路大震災の経験があったが、十分ではなかったと反省しており再認識しなければならない。津波対策等、機構は総力を挙げ防災・地域コミュニティのあり方を見直していく必要がある。
 改革工程表の中で機構の役割は終わったというが、76万戸100万人以上が居住しており役割が終わったということはない。逆風の中でも、肝を据えて現場を指導していきたい。
 最後に家賃について、空家の多い理由が家賃なら柔軟に家賃を下げることを検討したい。改定ルールでは1月1日となっているが柔軟に下げることも前倒しも可能、理事長ではなく支社長・本部長の権限でできることになっている。支社に申し出を。今後引き続き、より良い管理のあり方について皆さんと共に考えていきたい。よろしくお願いする。

石渡団地再生部長あいさつ(要旨)
 平成19年末にストック再生・再編方針を定めたが、すべての居住者と十分な話し合いができていないことが実態で、不安は認識している。お住まいの方の居住の安定が極めて重要と思っている。
 現在、行政刷新会議等で議論されているが、公共住宅をきちんと担えるのは公団しかないという思いで入社した人間。役割、位置づけが若干変わっても、公共性が変わることはない。先日、台湾での会議に出席したが、台湾には社会住宅はほとんどなく0.1%。日本は機構住宅が2%、公営住宅4〜5%、重要な位置づけを持っていると改めて認識している。都市に公的住宅がないことは本当にたいへんなこと。
 昨年も申し上げたが、団地は地域にとっての拠点・核として活力のあるものにする団地再生を進めていきたい。少子高齢化は待ったなしであり様々な工夫が必要、まずはコミュニケーションを図ることが第一歩、今後ともよろしくお願いする。


◆国交省へ22万3,714名分の署名を提出、要請
 国土交通大臣への署名(22万3,714名分)は、全国自治協役員と各地方自治協の代表20人の要請団が提出しました。同省では住宅局の川本正一郎局長(写真向こう側右から3人目)はじめ井上俊之大臣官房審議官(同2人目)、松本貴久民間事業支援調整室長(同4人目)がそろって応対しました。
 冒頭、全国自治協の林守一代表幹事が総決起集会の決議を読み上げるとともに、署名要求項目について説明し、政府の積極的対応を求めました。
 川本住宅局長は「いま差し迫った問題は、みなさんの今日の決議文に書かれていること、行政刷新会議の独立行政法人改革中間報告にあるように、都市再生機構を特殊会社にするという問題だ。まだ折衝が続いているが正直言ってたいへんきびしい」と、次のように述べました。
 「行政刷新会議報告書は『やればいい』としか書いてないし、議論がしにくい。かなりきついというのがいまの状況だ。なんのために特殊会社化するのかという目的がまったく不明確だ。居住の安定を守らなければならない。国土交通省の立場は大臣が明らかにしているように『新しい公的法人』として都市機構を改革するということだ。」
 全国自治協の役員が「昨年10月の都市機構あり方検討会報告書でA案(完全民営化)、B案(特殊会社化)、C案(新しい公的法人)と言っており、それが引き金になっているのではないか」と指摘。川本住宅局長は「あり方検討会は有識者の会議だ。国交省の考え方は前原誠司大臣(当時)が国会で公的法人をいきなり株式会社にすることはできないと表明し、後任の馬淵澄夫大臣(当時)は改革はやれるところからやる。まず公的法人として整理したうえで、その後特殊会社化を検討することもありうるのではないかと言った」と国交省の立場を説明しました。
 同局長は「このまま行くと行政刷新会議は特殊会社化を決定し、早期に閣議決定されてしまうかも知れない。一旦閣議決定されてしまえば、それは動かしがたい事実となってしまう」と述べました。
 要請団は、なんとしても特殊会社化を阻止するよう国土交通省が前田武志大臣ら政務三役を先頭にがんばることを求め、全国自治協も国会議員の協力を広げる取り組みを強める決意を表明しました。
 各自治協の代表が民営化反対、家賃問題などで要求や意見を述べ、北海道自治協の代表は団地居住者だけでなく地域からも集められた用途転換反対の署名592名分を提出し、団地継続を訴えました。

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