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異議あり・規制改革会議の答申

団地自治会代表者国会要請集会を開催



公団住宅居住者の居住の安定に関する要請書

   異議あり! 規制改革会議「答申」
公団住宅居住者の居住の安定に関する要請書
      
                                   2007年3月9日   全国公団住宅自治会協議会
 
 国政へのご尽力に敬意を表します。公団住宅(UR都市再生機構住宅)居住者のために日頃ご支援いただき、心から感謝申し上げます。
 本日は、昨年(平成18年)12月25日に発表された規制改革・民間開放推進会議の「規制改革・民間開放の推進に関する第3次答申」が公団住宅に対して驚くべき方針を打ち出したことに関して、安心して住み続けることを切望している居住者の居住の安定を守るために、ご理解とご助力をたまわりたく要請する次第です。

[T]規制改革・民間開放推進会議は昨年12月25日に第3次答申を発表しました。内閣府は直ちに規制改革会議を設置し、この答申を踏まえた新3か年計画の策定をめざし、本年5月下旬〜6月の閣議決定を目途に審議を進めています。
 答申は、国民生活の各分野にわたる規制改革の課題をかかげたなかで「官業民間開放」の名のもとに、中心的には都市再生機構の賃貸住宅事業に焦点をあて、具体的にその措置を指示しています。さらに同会議は2月23日に、特に重点をおいて取り組む課題「ダッシュ7」をあげ、その一つに「資産規模の大きい独法等公法人の業務の廃止・縮小、民間開放」をかかげました。
 都市機構の賃貸住宅77万戸は規模が過大であり、機構本来の役割に徹するべしとしたうえで、賃貸住宅について答申が示した措置は次のとおりです。
a.公営住宅階層の居住者が大半を占めている物件については、地方公共団体に譲渡するなどして機構の業務から切り離すべきである
b.現在の建替え制度とともに家賃減額も縮小の方向で抜本的に見直すべきである
c.建替えに際し建物を広域的に集約化し、資産の圧縮に努めるべきである
d.77万戸賃貸住宅について削減目標を明確にすべきである
e.建替え予定の団地以外にも定期借家契約を幅広く導入すべきである
f.管理業務においては可能な限り民間委託の範囲を拡大し、業務の効率化と管理コストの削減を図るべきである。

[U]2001年にはじまる小泉構造改革によって公団住宅制度の廃止と独立行政法人化が決められたとき、私たちは住まいの先行きと公共住宅存続に大きな不安をいだき、「安心して住みつづけられる公団住宅を守る」要請運動を展開しました。2003年の都市機構法成立に際しては衆参両院で付帯決議が採択されました。決議は、まさに公団住宅居住者の生活実態と切実な願いを反映した内容であり、いまも国政信頼への拠りどころとなっています。
○政府は、公的賃貸住宅の計画的整備、高齢者向け賃貸住宅の供給促進に努める
○機構は、居住者の居住の安定を図ることを政策目標として明確に定める
○家賃が居住者にとって過大な負担にならないよう十分な配慮に努める
○建替え余剰地は公的資産として活用し、公園・福祉施設・公営住宅等公的な利用に努める
 都市機構の「中期目標」にも「居住者の居住の安定を図る」が明記されています。

[V]とはいえ政府および機構は、家賃設定のうえでは、居住者の7割近くが所得5分位の第1分位、1割余が第2分位にある生活実態を直視せず、施策対象を中堅所得(第3分位)層におく市場政策をとりつづけ、私たちの負担は耐えがたくなっています。他方で、高家賃のため空き家が増え、空き家が1割以上の団地も稀ではなく、コミュニティの維持・形成も危ぶまれます。そのうえ度重なる制度改変によって住まいの存立が揺さぶられ、たえず居住不安にさらされています。
 昨年成立した住生活基本法は、基本理念の一つに「低額所得者、高齢者等の居住の安定の確保が図られることを旨とする」施策の推進をかかげました(法6条)。そして住宅セーフティネットの構築を図るため、都市機構の賃貸住宅をも含む公営住宅等のストック活用をあげ、この法にもとづいて「住生活基本計画(全国計画)」が策定されました。しかし、公営住宅等の居住者が6条の対象者とは関係づけられていないことに危惧をもちます。公営住宅への応募率の高まりにたいし、入居収入基準の引き下げで応募倍率は低下するとの国土交通省の公言からも察せられます。
 私たちは昨年7月27日、「人間らしい最低限度の居住保障にかんする明記を」と題し、全国計画案のたいする意見書を提出しました。そのなかで、「基本的な施策」として次の点を明記するよう要請したのは、その危惧があったからです。「公的賃貸住宅・民間住宅のいかんを問わず、公営住宅の入居要件をそなえたすべての入居者を、『目標』に示された施策の対象者とみなすこと、その対象者にたいしては公営住宅法にもとづく家賃制度に準じる家賃措置を講じること」

[W]以上の経緯をへて表明してきた私たちの基本的な願いに沿う施策、措置が現在まだ見られない状況のもとで、冒頭に記した規制改革会議による答申の「果敢かつ迅速な実現を図る」審議が始まったことに、私たちは驚き、いっそうの不安を高めています。
 答申が示す機構賃貸住宅の「地方公共団体への譲渡など」の現実性、建替えに際しての「建物の広域的集約化と資産の圧縮」の意味するもの等々はもとより、そもそも公共住宅にたいするこのような「規制改革」の目的は何か、規制改革会議は十分国民に説明すべきですし、私たちは国会・行政関係者の考え方、ご意見をおうかがいしたいし、つぎの事項実現にお力添えたまわりたくお願いいたします。

要請事項
 
1)「政府は、公的賃貸住宅の計画的整備、高齢者向け賃貸住宅の供給促進」「家賃が居住者にとって過大な負担にならないよう十分な配慮」等を求めた都市再生機構法附帯決議を全面実現してください。
2)私たち公団住宅居住者だれもが、今後とも安心して住みつづけられる保証を示してください。
                                                        以上
        
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