独立行政法人都市再生機構法案の特徴
【解説】小泉内閣が国会提出した「独立行政法人都市再生機構法案」の特徴として次のことが指摘できます。
 第一条(目的)は、新機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めるとし、二条で新機構はこの法律と独立行政法人通則法にもとづいて設立されることを明記しています。
 新機構の目的(三条)として、「市街地の整備改善及び賃貸住宅の供給の支援」と「都市公団から承継した賃貸住宅等の管理等」の二つをかかげ、四条で主たる事務所を神奈川県におく、とあります。
 役員は理事長および監事を中心とし通則法に従うことにしています。(6〜10条)
 新機構の業務の範囲(11条)は、これまでの都市公団業務と基本的には変わりません。むしろ都市再生の名で、新たな業務拡大の意図もうかがえます。
 「都市公団から継承した賃貸住宅の管理、増改築及び譲渡を行うこと」「賃貸住宅の建て替え並びにこれにより新たに建設した賃貸住宅の管理、増改築及び譲渡を行う」等々、既存賃貸住宅に係わる業務すべてに「譲渡」を含めているのが特徴的です。
 私たちにもっとも関係のある賃貸住宅の管理、とりわけ家賃と建て替えに関する条文は、ほぼ現行法のままで変わりません。
都市公団から新機構への「改革」で目立つのは、賃貸住宅に関して公団の「供給および管理」にたいし機構は「供給の支援」に変えた点と、既存賃貸住宅の管理に「譲渡」を打ち出したことです。
 新機構は個別法としての「機構法」だけでなく、「独立行政法人通則法」の下におかれることで、私たちの住まいはその法的根拠に大きな違いが出てくることも予想されます。機構の設立は、政府がますます公共住宅政策から手を引き、既存賃貸住宅までも手放す方向を示しています。
 私たちは長年にわたって公共住宅の発展をねがい、だれもが安心して住みつづけられる制度の実現に取り組んできました。
 公団住宅を国民の貴重な財産として存続させ、自治会活動の成果を守って住まいとコミュニティを発展させる――この方向での法案審議を求めて新たな運動をスタートさせましょう。

●独立行政法人とは

●独立行政法人都市再生機構法案要綱

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