独立行政法人都市再生機構法案要綱 (抜粋)
第一 機構の目的
 独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)は、機能的な都市活動及び豊かな都市生活を営む基盤の整備が社会経済情勢の変化に対応して十分に行われていない大都市及び地域社会の中心となる都市において、市街地の整備改善及び賃貸住宅の供給の支援に関する業務を行うことにより、社会経済情勢の変化に対応した都市機能の高度化及び居住環境の向上を通じてこれらの都市の再生を図るとともに、都市基盤整備公団(以下、「都市公団」という。)から継承した賃貸住宅の管理等に関する業務を行うことにより、良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図り、もって都市の健全な発展と国民生活の安定向上に寄与することを目的とすること。(第三条関係)

第四 業務の範囲
一 機構は、第一の目的を達成するため、 次の業務を行うものとすること。
1 既に市街地を形成している区域において、市街地の整備改善を図るための建物の敷地の整備(公共の用に供する施設を併せて整備するもの又は細分された土地を一団の土地として有効かつ適切に利用できるよう整備するものに限る。)又は宅地の造成並びに整備した敷地又は造成した宅地の管理及び譲渡を行うこと。
 2 既に市街地を形成している区域において、良好な居住性能及び居住環境を有する利便性の高い中高層の賃貸住宅その他の国の施策上特にその供給を支援すべき賃貸住宅の敷地の整備、管理及び譲渡を行うこと。
 3 既に市街地を形成している区域において、都市再開発法による市街地再開発事業、土地区画整理法による土地区画整理事業、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法による住宅街区整備事業及び流通業務市街地の整備に関する法律による流通業務団地造成事業を行うこと。
4 既に市街地を形成している区域において、市街地再開発事業、土地区画整理事業又は住宅街区整備事業に参加組合員等として参加すること(6の業務を併せて行うものに限る。)。
5 都市再開発法に規定する特定建築者がいない場合において、特定建築者として特定施設建築物の建設を行い、並びにその管理、増築又は改築(以下「増改築」という。)及び譲渡を行うこと。
 6 既に市街地を形成している区域における市街地の整備改善に必要な調査、調査及び技術提供を行うこと。
 7 既に市街地を形成している区域において、機構による1から3までの業務の実施と併せて整備されるべき公共の用に供する施設整備、管理及び譲渡を行うこと。
 8 既に市街地を形成している区域において、地方公共団体からの委託に基づき、民間事業者による市街地再開発事業、土地区画整理事業等の施行と併せて整備されるべき公共の用に供する施設の整備、管理及び譲渡を行うこと。
 9 第九の整備敷地等について、公募の方法等により譲渡し、又は賃貸しようとしたにもかかわらず、一定の条件を備えた応募者がいなかった場合において、次に揚げる住宅又は施設の建設を行い、並びにそれらの管理、増改築及び譲渡を行うこと。
  イ 2に規定する賃貸住宅
  ロ イの賃貸住宅の建設と一体として事務所、店舗等の用に供する施設の建設を行うことが適当である場合におけるそれらの用に供する施設の建設
  ハ 整備敷地の利用者の利便に供する施設
  ニ 整備敷地等の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の高度化を図るため住宅又は事務所、店舗等の用に供する施設を建設する必要がある場合における当該住宅又は施設
10 土地等の取得を要する業務(委託に基づき行うものを除く。)の実施に必要な土地等を提供した者又は当該業務が実施される土地の区域内の居住者等(以下「土地提供者等」という。)の申出に応じて、当該土地提供者等に譲渡し、又は賃貸するための住宅又は事務所、店舗等の用に供する施設の建設を行い、並びにそれらの管理、増改築及び譲渡を行うこと。
11 地方公共団体からの委託に基づき、根幹的な一定規模以上の都市公園の建設、設計及び工事の監督管理を行うこと。
 12 都市公団から継承した賃貸住宅等の管理、増改築及び譲渡を行うこと。
 13 9のイ及び12の賃貸住宅についての賃貸住宅の建て替え並びにこれにより新たに建設した賃貸住宅の管理、増改築及び譲渡を行うこと。
14 12又は13の業務に係わる賃貸住宅の居住者の利便に供する施設の整備、管理及び譲渡を行うこと。
 15 13の賃貸住宅の建て替えに併せて、次の業務を行うこと。
  イ 当該賃貸住宅の建て替えと併せて整備されるべき公共の用に供する施設の整備、管理及び譲渡を行うこと。
  ロ 当該賃貸住宅の建て替えと併せてこれと一体として事務所、店舗等の用に供する施設の建設を行うことが適当である場合において、それらの用に供する施設の建設を行い、並びにその管理、増改築及び譲渡を行うこと。
  ハ 当該賃貸住宅の建て替えにより除去すべき賃貸住宅の居住者の申し出に応じて、当該居住者に譲渡するための住宅の建設を行い、並びにその管理及び譲渡を行うこと。
 16 災害の発生により緊急に賃貸住宅を建設する必要がある場合において、第六の国土交通大臣の求め又は第七の地方公共団体からの要請に基づき当該賃貸住宅の建設を行い、並びにその管理、増改築及び譲渡を行うこと。(第十一条第一項関係))
二 機構は、一の業務のほか、筑波研究学園都市建設法による筑波学園都市建設事業、関西文化学術研究都市建設促進法による関西文化学術研究都市の建設、被災市街地特別措置法二十二条第一項に規定する業務及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三十一条に規定する業務を行うものとすること。(第十一条第二項関係)
三 機構は一及び二の業務のほか、それらの業務の遂行に支障のない範囲内で、委託に基づき、建築物の敷地の整備、宅地の造成、一定の住宅の建設、これらと併せて整備されるべき公共の用に供する施設の整備、市街地再開発事業等と併せて行うことが必要な事務所、店舗等の用に供する施設の建設等の業務が行うことができるものとすること。(第十一条第三項関係)

第五 民間事業者との協力等
一 機構は、第四の業務の実施に当たってる限り民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用し、民間事業者との協力及び役割分担が適切に図られるよう努めなければならないものとすること(第十二条第一項関係)。
二 機構は、第四の一の2の業務の実施に当たっては、当該業務の実施により整備した敷地における民間事業者の賃貸住宅の建設の見通しを十分勘案して行わなければならないものとすること。(第十二条第二項関係)

第九 整備敷地等の譲渡又は賃貸の方法
 機構は、整備敷地等については、当該整備敷地等において建設すべき建築物に関する事項等に関する計画を定め、その計画に従って建築物の建設をしようとするものに譲渡し、又は賃貸しなければならないものとし、この場合において、機構は、公募し、その応募者のうちから公正な方法で選考しなければならないものとすること。(第十六条関係)

第十 投資
 機構は、業務運営の効率化等を図るため特に必要がある場合においては、国土交通大臣の認可を受けて、第四の一の3、4、5等の業務の実施により建設した事務所、店舗等の用に供する施設の管理、整備敷地等の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の高度化を図るための建築物の建設又は管理に関する業務棟を行う事業に投資することができるものとすること。(第十七条関係)

第十二 賃貸住宅の管理等
一 機構は、賃貸住宅の新規入居者の家賃の額につては、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定めなければならないものとすること。(第二十五条第一項関係)
二 機構は、賃貸住宅の家賃の額を変更しようとする場合においては、近傍同種の住宅の家賃の額、変更前の家賃の額、経済事情の変動等を総合的に勘案して定めなければならないものとし、この変更後の家賃の額は、近傍同種の住宅の家賃の額を上回らないように定めなければならないものとすること。(第二十五条第二項関係)
三 機構は、一又は二にかかわらず、居住者が高齢者、身体障害者その他の特に居住の安定を図る必要がある者で一又は二による家賃を支払うことが困難であると認められる場合等においては、家賃を減免することができるものとすること。(第二十五条第四項関係)
四 機構は、次の用件に該当する場合には、賃貸住宅の建て替えをすることができるものとすること。
 1 除去する賃貸住宅の大部分が耐用年限の二分の一を経過していること又はその大部分につき賃貸住宅としての機能が災害その他の理由により相当程度低下していること。
 2 第四の一の2の賃貸住宅を新たに建設する必要があること又は賃貸住宅の需要及び供給の現況及び将来の見通しを勘案して当該地域に良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅を十分確保する必要があること。(第二十六条第一項関係)五 機構は、賃貸住宅の建て替えに関する計画について関係地方公共団体から申し出があった場合においては、公営住宅又は社会福祉施設等の整備を促進するため、賃貸住宅の建て替えに併せて、当該賃貸住宅の建て替えに支障がない範囲内で、土地の譲渡その他の必要な措置を講じなければならないものとすること。(第二十六条第二項関係)
六 機構は、賃貸住宅の建て替えにより除去すべき賃貸住宅の居住者で当該賃貸住宅の建て替えに伴いその明け渡しをするもの(以下「従前居住者」という。)に対して、必要な仮住居を提供しなければならないものとすること。(第二十七条関係)
七 機構は、従前居住者で、当該賃貸住宅の建て替えにより新たに建設される賃貸住宅への入居を希望する旨を申し出たものを、当該賃貸住宅に入居させなければならないものとすること。(第二十八条関係)
八 機構は、賃貸住宅の建て替えに併せて公営住宅が整備される場合において、従前居住者で公営住宅に入居する資格を有するものが当該公営住宅への入居を希望したときは、その入居を容易にするように特別の配慮をしなければならないものとするとともに、当該公営住宅の事業主体は、機構が行う措置に協力するよう努めなければならないものとすること。(第二十九条関係)
九 機構は、従前居住者を、賃貸住宅の建て替えにより新たに建設した賃貸住宅又は機構が管理する他の賃貸住宅に入居させる場合において、新たに入居する賃貸住宅の家賃が従前の賃貸住宅の最終の家賃を超えることとなり、当該入居者の居住の安定を図るため必要があると認めるときは、当該入居者の家賃を減額することができるものとすること。(第三十二条関係)

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