国会の責任において
機構法25 条4項の実施を
「第13回団地の生活と住まいアンケート」の成功を!
全国公団住宅自治会協議会第50回定期総会を開催
92団地 152人が参加
2023年6月18日午後1時から昨年に続き日本教育会館において、北海道から九州福岡まで10の自治協から代議員91自治会92名、傍聴38名、役員22名、総計92自治会152名が参加して全国自治協第50回定期総会が開催されました。総会の模様は今年もユーチューブで全国に配信しました。
石川敏宏代表幹事の開会挨拶のあと、選出された関西自治協西大和片岡台団地自治会吉田義男氏、東京23区自治協大島6丁目団地自治会田川暁子氏のお二人の議長によって議事が進められ、幹事会を代表して角和子代表幹事が挨拶を行いました。
阿部京子幹事が各政党と党国会議員、国土交通省、都市機構、諸団体等からの激励のメッセージが紹介を。メッセージは、自由民主党、平沢勝栄衆院議員・小倉將信衆院議員・菅義偉衆院議員。立憲民主党、末松義規衆院議員・早稲田ゆき衆院議員・小宮山泰子衆院議員・菅直人衆院議員。公明党、山口那津男代表。日本共産党中央委員会、高橋千鶴子衆院議員・田村智子参院議員。国土交通省住宅局長、独立行政法人都市再生機構、株式会社URコミュニティ、日本総合住生活株式会社、全国公営住宅協議会、全国公社住宅自治会協議会、全国借地借家人組合連合会、日本総合住生活労働組合からいただきました。
廣田政典議事運営委員長が総会が成立していることを確認したあと、多和田栄治代表幹事が「私たちの住まいをめぐる情勢」について報告を行いました。
多和田代表幹事は「公団住宅民営化をこれまでくいとめてきた。消費税の家賃課税を止めさせた。民法の改正に合わせて修繕は大家の義務として前進を勝ち取った。これらの成果に確信を持とう。都市機構とは家賃裁判の和解で勝ち取った定例懇談会で話しあいを進め要求を前進させた。団地再生においては私たちには借家権があり、機構には追い出し権限はないことから十分納得できる話しあいが必要と、ひとつひとつ具体的に実現してきている。しかし、法律にありながらもやっていないのは機構法25条4項家賃の減免である。セーフティネット住宅制度がある、公営住宅があるなどと私たちの声を無きものにしている。国会がつくった法律が守られていない。各自治協でも国会要請を強めよう」「私たちの生活を守るのは国と地方自治体である。公営住宅などは県がやらずに市町村がやることと言い出している。団地再生も必ず地方自治体が絡んでおり、どう要求実現の力になってくれるのか、市長、市議会等に対しての働きかけも強めよう」と話しました。
興梠信子事務局長から、議案書の内容にそって一年間の活動経過報告と「家賃の減免」実施の要求や、団地の売却・削減、公団住宅の民営化・廃止の動きと、国の公共住宅政策の後退に反対することなど、4つの要求と課題を含む2023年度の活動方針の提案が行われました。
報告・提案の後10のすべての自治協から代議員15名の発言がありました。「活動の交流をすすめ新たに3つの自治会が自治協に加盟した」「家賃の減免実現に向けての活動を進めるうえで居住者の生活実態や声を届けよう」「統一行動や第13回団地の生活と住まいアンケートの成功を」「総会に初めて参加し勉強になった。活動がすばらしいと思った」「浅型の浴槽、トイレのウオシュレット化など強い要望。団地の点検と改善を」「統一行動で奮闘し30団地の署名をやりきった」「スーパーの閉店、外国人居住の増加。みんなが安心して住める団地に」など多岐にわたる貴重な発言が出されました。
討議を終えて住まいをめぐる情勢と課題、2022年度活動経過報告、決算・監査報告と、2023年度活動方針、予算案、新年度役員体制の提案がすべて大きな拍手で承認・採択されました。
新年度の幹事を代表して青木有倶代表幹事が決意をこめて挨拶したあと、谷代久恵幹事が「『増税のまえに公団住宅廃止を』は、居住確保を求める国民の運動つぶしをねらうもの。
『住まいは福祉、住まいは人権』であり、私たち負けてはいない。全国の団地の知恵と力をあわせて活動をやり抜こう」との総会決議を提案し、大きな拍手で採択しました。
今回で退任となった高笠原晴美幹事(東海)の退任挨拶が行われ、感謝の花束が贈られました。
最後に来年の総会を担当する埼玉自治協の竹村正会長から「来年の総会は磯部温泉でお合いしましょう」との閉会挨拶で幕を閉じました。
角代表幹事あいさつ(要旨)
の独立行政法人都市再生機構まで内閣が変わるたびに政府の住宅政策に翻弄される歴史の中、全国自治協は、公団住宅の削減・売却・民営化の政府の方針に反対し、公団住宅を公共住宅として守る運動に全力をあげてきました。一方、家賃値上げの歴史は、1978年家賃の大幅値上げにたいし自治会、自治協の組織を基盤に全国で反対運動を展開し、1979年から6年間にも及ぶ家賃裁判を提訴し、裁判で判断を仰ぐことになりました。その裁判で時の大臣が今後は両者間で協議を定例化するべく和解案を示し、これが35年以上続いており、全国自治協の運動にとって根幹をなす本社との定例懇談会であります。
また、2013年閣議決定の「継続家賃改定ルール」の見直しにより契約更新日の改定や激変緩和措置の撤廃など、継続居住者の家賃値上げ問題は、足かせのように常に付きまとっています。
食料品の度重なる値上げ、光熱費の高騰、年金の引き下げと年金生活者にとって今ある家賃の支払いが困難になっている状況に、住まいを失うことへ不安をいだいて日々を過ごしています。コロナ禍にあっても、人気のある団地の募集家賃は値上げされ、それが市場家賃となり継続居住者の家賃へと波及されるのではと危機感をいだかざるを得ない状況です。公団住宅の公共的役割を後退させるものだと危惧するところであります。
同じくコロナ化にあって各団地自治会でも行事や取り組みなど縮小や延期、中止など大変だったとおもいます。そのような状況の中でも毎年行われている「全国統一行動」の署名を、国土交通省や都市機構本社に提出し要請を行うこともできました。
今年は「第13回団地の生活と住まいアンケート」の調査が実施されます。このアンケート調査の積み重ねは、私たちの運動にかけがえのないデーターとして大きな力になるもの
です。
これまで公団住宅の民営化阻止、修繕項目の拡大や家賃特別措置の所得要件の緩和など大きな成果をあげることができました。
本総会を成功させ、地方自治協、全国の団地自治会とともに私たちの切実な課題の解決へ向け運動を強めていきましょう。
総 会 決 議
私たちは本日、2023年6月18日、記念すべき第50回定期総会を東京神田一ツ橋の日本教育会館で開きました。
総会には、全国10地方自治協192自治会代議員193名のうち、本日の出席代議員は91自治会92名、委任は101自治会101となり、傍聴者38名が参加しました。国会議員各位をはじめ、都市再生機構、国土交通省、友誼団体等からは多くの祝電、メッセージをいただきました。
開会あいさつと情勢報告につづき、2022年度活動経過と財務の報告、2023年度活動方針案と予算案が提起され、代議員の活発な発言、討議をへて決定し、新年度体制が発足しました。
3年余にわたるコロナの脅威はやや下火を思わせ、各自治会では、夏祭りを再開し、団地の元気をとりもどそうとの意気込みが見られます。私たちには、その元気が、団地住民こぞっての新たな結束が、いま強く求められています。コロナ禍に追い打ちをかけるように、食料や光熱費など生活必需品の異常な高騰は私たちの家計を直撃し、これにたいし岸田内閣は、有効な対策もとらず、それどころか「戦争する国」をめざす大軍拡、大増税の道に踏みだしました。そうした国の進路のもとで、福祉や住宅の政策が後退し、切り捨てられていくことは目に見えています。
現に国の住宅予算は激減する一方であり、「セーフティネット住宅」の存在は名ばかり、その根幹である公営住宅さえ計画的廃止が各地で始まっています。都市機構はといえば、機構法が定める家賃減免条項を履行しないばかりが、逆に家賃値上げ攻勢を強め、団地削減・売却方針を進めています。国会から再び聞こえる「増税のまえに、公団住宅廃止を」の声は、同時に、居住確保を求める国民の運動つぶしを狙うものです。
「住まいは福祉、住まいは人権」です。私たちは負けていません。公団住宅は法律にもとづく「公共の」集合住宅であり、各団地で自治会をつくって住民どうしの親睦と結束を図るとともに、全国的にまとまった社会勢力として活動をつづけ、60年の実績と活動の土台を築いてきました。歴代内閣の20年におよぶ公団住宅民営化方針をくい止め、家賃への消費課税を中止させ、住宅修繕は家主の義務原則を実施させるなど、日常的な諸要求の実現はもとより、住まいの基本にかかわる権利は守ってきました。機構の団地「再生」という再開発事業についても、私たちには「借家権」があり、機構に退去請求の「正当事由」はありません。私たちは大きく団結して住まいの安定と権利を守っていきます。
本総会で確認しあった、「第13回団地の生活と住まいアンケート」活動を柱とする活動方針を、全国の団地の知恵と力をつくしてやりぬきます。困難にはちがいない課題にも道が開けることを私たちは確信しています。新年度方針の要旨をかかげ、力を合わせ取り組むことを決議します。
一.家賃の減免と家賃引き下げを要求します
一.公団住宅の売却・削減に反対し、公共住宅として守り継続発展させます。公団住宅の「民営化・廃止」の動きに反対します。
一.修繕・住環境の改善の促進、管理業務の充実を要求します
一.居住者のくらしと権利、憲法と平和を守る活動を進めます
以上決議します。
2023年6月18日
全国公団住宅自治会協議会第50回定期総会