機構法25 条4項「家賃の減免」実施を
公団住宅の売却・削減・統廃合に反対
全国自治協第50回定期総会は、6月18日(日)午後に短時間の開催となりましたが、総会では10名の代議員から発言がありました。
◆東京23区金町駅前団地五十嵐代議員
東京23区自治協は5月17日、定期総会へのメッセージのお願いを、23区内選出の国会議員を中心に、衆参両院30名の議員事務所を訪ね要請しました。
この行動には11名が参加し、3月27日の参議院予算委員会で「URの民営化を実施しろ」と発言した日本維新の会所属の3名の議員へも要請をおこないました。
行動後の交流会では角会長からは「23区には国会議員も多く、、23区自治協が果たす役割も大きい。国会議員・地方議員の皆さんに地元でも要請をしていきましょう」と訴えました。後日開催した23区自治協の定期総会には、この日要請した議員22名の方から祝電・メッセージが寄せられました。私たちの実情と要望を伝え公団住宅の必要性と家賃について考えてもらおう!「第13回団地の生活と住まいアンケート」を全力で
◆関西香里団地香陽神戸代議員
香里香陽自治会は関西自治協に加盟していて、大阪ブロックに所属しています。香里団地には6つの自治会がありますが、その自治会が2か月に一度「六地区会」で集まり活動交流を実施しています。
自治協加盟自治会からは、自治協での活動報告や、URとの交渉等を通じて要求実現ができたことなどの話しをしてきました。その結果昨年1自治会が、今年2自治会が自治協に加盟することになりました。
香里団地は80歳代の女性の一人暮らしが多く、団地は5階建てで皆さん本当に階段の上り下りを命がけでされているんです。雨とか降りますとツルッと滑ったらそれまでで、1階に降りるのも10分20分かかる方もいます。外に出るのが大変なので、引きこもりがちになるんです。高齢で長く住んでいる方々が公団住宅を今まで支えてこられた方なんですよ。ですから80歳になっても90歳になっても明るく前向きに生きていただくようにエレベーターはどうしてもいります。
◆神奈川鶴が台団地和久代議員
3年前の住まいアンケートによると収入200万円以下の世帯が36%に迫る状態でした。現在ではさらに高齢化が進んでいて、コロナの関係もあり厳しい生活となっています。
居住者の多くが高齢化し、家賃の支払いが大変重くなっている。機構法25条4項に基づく家賃の減免措置を早期に実施してほしい。
神奈川自治協では地元議員への要請を常に意識して行っている。住民の声を国会に届けることが非常に重要だと感じている。住まいのことで運動している他団体との共同も非常に重要である。
◆埼玉武里団地谷口代議員
家賃負担の重さに加えて食料品など生活物資の高騰により家計が圧迫されている。
そのしわ寄せが高齢者・低所得者層など弱い立場の人たちを直撃している。大半の居住者が公的年金だけの収入に頼っている公団住宅居住者にとって、収入の大半が家賃の支払いとなり、残りでどうにか生活している。住民たちの悲鳴があがっています。私たちはこれまで「住まいは福祉、住まいは人権」を掲げて公団住宅を公共住宅として守ってきました。
機構法25条4項の執行は行政に義務付けている。不履行が許されることはどこにも書いてありません。私たちは法律を制定した国会に対して、誠実な執行を要求していきます。
◆千葉・茨城花見川団地荒井代議員
機構法25条4項の早期実現に向けては、政府や国会各政党各会派、国会議員一人一人に働きかけることが急務であると思います。私たちの要求実現のためには私たちが力をつけていくことが必要です。
そのために今年実施される「第13回団地の住まいアンケート」の成功と、毎年の署名行動に積極的に取り組むことが必要であると思います。
花見川団地では約5千世帯の団地ですが前回の署名運動では61%の回収でした。役員一同全力でアンケート・署名運動に取り組みます。
◆北海道五輪団地北村代議員
今日初めて全国総会に参加しました。改めて全国の活動が素晴らしいと思いました。五輪団地は750世帯のうち700世帯が会員世帯です。
一方最近「自治会の役員になりたくない」「煩わしいことに関係したくない」等の意見を言う人もいますが、私自身は知り合いが増えることで安心感が得られる。子育て仲間を得ることもできましたし、子ども会もできました。次の世代の子どもたちにもいい世の中にしていきたい。
◆東海江南団地森代議員
江南団地は今年で55年になります。3つの要求があります。第一は浅型の浴槽の問題です。玄関手すりだけでなく、浅型の浴槽も要求してほしい。第二はトイレのウォッシュレット化です。以前のように機構の責任においてライフアップで対応できるようにしてほしい。第三はストック再生団地で55年たった団地ですが「積極的に団地の総点検をして、具体的に改善要求をまとめる」となっているが具体的にどのようにすればいいですか。
◆北九州徳力団地高柳代議員
2022年統一行動の取り組みですが、北九州自治協の加盟団地が4団地、自治会として取り組んでくれるところが2団地、会長がいて配布さえすれば会長などが預かってくれる団地が14団地、預かってくれるところがないところの8団地は署名用紙を配布し、日曜日に机などを出してのぼりを立て、マイク等で呼びかけ持ってきてもらうようにしました。小さな2団地は訪問して集め、あとの2団地も工夫して集めるようにして目標の30団地になりました。署名世帯数カンパ共大幅に増やすことができました。今年実施するアンケートについても頑張ります。
◆福岡友泉団地鹿田代議員
20年以上前に建て替えが済んでいてバリアフリー等、浴室乾燥がついていたり、ウォシュレット、エアコンも設置されています。
モニター付きインターホンの顔が見えるのも最初はあまり考えていませんでしたが、意外と顔が見えるっていいなと思います。どんな人が来たのかも確認できるのは、便利な機能であることを再確認しました。
また、自治会の願いが叶って集会所トイレにウォシュレットがつきました。これらの多くの設備は全国の自治会が粘り強く要望した結果であると思います。
多和田さん来年もお元気で報告されてください。大変勉強になっております。ありがとうございます。
◆東海岩倉団地渡辺代議員
団地内のスーパーが今年1月突然閉店となり高齢者や多くの住民が買い物に支障もきたしていました。
自治会は新しいスーパーを建設するようURに求め、7月末に開店する予定となりました。
自治会はこの間、買い物に行けない方のために「お助け隊」として、「お弁当・総菜・果物・野菜」を購入し、コミュニティスペースで販売しました。URに対しては移動販売などの要求も出しましたが、対応は遅く私たちの要望はかないませんでした。
居住者の高齢化がすすむ中、生命にかかわる問題が発生した場合、住まいセンターが居住者や自治会の要望を素早く対応することが必要です。
◆東京23区高島平団地戸田代議員
東京23区では各ブロックごとにURコミュニティの住まいセンターとの定期懇談会を年1回開催しています。その定期懇談会では、コミュニティからの回答で「その案件については弊社の一存では回答できませんので本社にご要望を伝えておきます」との言葉がよく使われます。その都度我々は失望ならびに苛立ちを感じております。
他の自治協はUR本部との定期懇談会をなさっておられますが、東京23区はいまだに開催に至っておりません。その件につきましてぜひ全国の自治協のみなさんからご助言をいただきたい。
◆千葉・茨城戸頭団地関戸代議員
戸頭団地(茨城県取手市)は48年経過しました「遠い・狭い・高い」団地で最初から空き家が多い団地です。40年経過し8棟を壊し「集約」をしましたが、空き家がさらに増え空き家率35%になりました。
5階建ての団地で3階から5階が誰もいない住棟などがあり、アライグマが上から降りてきたり、スズメバチが5階に巣を作るなどの状況があります。
URコミュニティ茨城分室と毎年定例協議を実施しています。災害への備えなどの対応をお願いし、上階への倉庫設置などが実現しました。
◆東京多摩永山団地津山代議員
多摩自治協は年2回定例懇談会を実施しています。夏は1年間の計画修繕を出していただき、個別の団地の要望もそこでやります。
冬は計画修繕がどのように進捗したかを確認し、個別の団地の要望も実現したかを確認をしながら進めてきました。
住まいセンターとの懇談で、「本社に伝える」との回答が多いとのことですが、多摩もそれは同じで、本部に伝えるという回答がものすごくたくさんあります。
南北二つのセンターとの懇談が終わった後、必ず本部との定例懇談会をやっていますので、住まいセンターとの懇談で「本部に伝える」となっている事項がどうなっているのかも確認します。
国会要請行動も、コロナ前には毎月のようにやっていましたが、昨年は3回で終わりました。居住者の生活実態を議員がいなくても秘書に伝えています。やはり国会の中で質問をしてもらわないと実現しないので、国会でも取り上げてほしいということで、昨年は2人の議員さんが国会で質問をしていただきました。
◆千葉・茨城金杉台団地別府代議員
私どもの団地は435戸のうち約3割が空き家です。その3割の空き家を抱える中で一番力を入れているのが機構法25条4項の適用を求める要望書を提出する運動です。
連絡をいただいたお宅に聞き取りに行き、生活の困窮状態を聞き、月々の収支を伺いその中で家賃がどれだけ重いか、聞き取ってURに要望書を提出しています。5年間で5人の方の要望書を提出しました。要望書ですのでさほど効力はないですが、受け取るだけでもいいと思ってます。
地元に国会議員の方がいらっしゃいます。船橋7団地で毎年懇談会を開いており、その場で国会議員の先生に個人情報の部分は黒塗りして、こういった方がいらっしゃいますということで要望書をお渡ししています。
◆埼玉西上尾第一団地酒井代議員
団地の人口は約5,000人、75歳以上の高齢者が団地全体の1/3になっている。高齢になると自宅で引きこもりがちになることを防ぐために、自治会を中心としたコミュニティ組織が居住者の協力を得て30年以上実践活動を継続し高齢者に喜ばれています。中でもふれあいラウンジは毎日40名近い利用者が喫茶と会話を楽しんでいます。
最近は団地内居住者だけではなく近隣地区からも見学を兼ねて参加する人も増えています。一方で30年近く昼食を提供してきましたが、当初は月4回開催することができましたが、今は月2回になってしまいました。運営側の高齢化が主な原因なんですけれども、それでもスタッフは、利用者が食事している時の笑顔とか笑い声が糧にして頑張っています。
自治会として高齢者が家に閉じこもることなく、他者とのふれあいの中で生き甲斐ある生活が送れるようさらに努力していきたいと考えています。