総 会 決 議

 全国公団住宅自治会協議会は6月16日、17日の二日間、第34回定期総会を滋賀県大津市で開きました。330人を超える団地自治会役員が出席し、公団住宅が直面しているきびしい情勢について討議し、いまこそ居住者の居住の安定をはかり公団住宅を安心して住みつづけられる公共住宅として守りぬくために、団地自治会が力を合わせた取り組みをすすめる決意を固めあいました。
 公団住宅は重大な危機に立たされています。規制改革会議答申が77万戸の都市機構住宅は「規模が過大」であるとして「削減・売却」を打ち出しました。これと関連して、安倍晋三首相は、日本経団連会長らの提案を受けて、101の独立行政法人の「民営化・廃止を含む業務の全面的な見直し」を指示し、作業が進められています。都市機構についても今年8月までに賃貸住宅の削減・売却、管理の民間開放拡大など事業見直し方針をまとめ、12月に確定することになっています。
 今日の総会から数カ月間、公団住宅のあり方とその行方をめぐって、きびしい攻防が行われることになります。規制改革会議は、現実に引き受ける自治体は皆無であることを百も承知で、「公営住宅階層の居住者が大半を占めている物件は地方公共団体に譲渡すべきである」として、結局は都市機構賃貸住宅の廃止、民間売却をめざしているのです。真のねらいが「都心部の儲かっている都市機構住宅の民間開放(売却)」にありことは明白です。それを実現させるには居住者がじゃまになります。5月30日の規制改革会議答申が、現行法が借家人の権利を保護していることを激しく攻撃し、「借家人の居住の保護は本来生活保護によって対処すべき」などと言って、明け渡し自由化を打ち出したのは一連の意図にもとづくものです。
 公団住宅の建て替え事業は大きな曲がり角に来ていますが、「家賃減額を縮小の方向で見直す」との規制改革会議答申は、私たちの長年の運動によって積み上げてきた成果を反古にしようとするものです。居住者への家賃減額制度を後退させることは絶対に許せません。
 政府・都市機構は、公団住宅管理の民間委託拡大をはじめ団地を企業の利潤追求の場にする民間開放と、修繕はじめ共益費業務のさまざまな分野での競争入札の拡大を推進しようとしていますが、居住者無視の一方的な民間開放は管理サービスの低下をまねき、自治会と機構が築いてきた団地管理での連携関係を弱めてしまうことになりかねません。
 いまこそ、すべての居住者が団地自治会に参加し、団地自治会は全国的に力を合わせて、居住者の住まい・公団住宅を守り、安心して住みつづけられる団地、より良い地域コミュニティづくりをめざして運動を進めようではありませんか。

1.都市再生機構に対する規制改革会議答申に反対し、その撤回と、国会付帯決議の全面実現、居住の安定を保障する施策の充実を要求します。
2.高家賃を引き下げ、くり返し値上げの「家賃改定ルール」の抜本的見直し、居住者の収入に応じ負担 能力を考慮した制度に切り替えること、高齢者世帯・子育て世帯が安定居住できる家賃減免制度をつく ることを要求します。
3.建て替えは、公共住宅の拡充、地域福祉の発展、良好なまちづくりに役立つものにすること。団地売 却を含む計画の一方的な押しつけに反対し、建て替えを機にして公共の資産を営利に供することをやめ、防災広場、緑地帯、公共施設、公営住宅など公的活用を図るよう要求します。
4.住宅の修繕・住環境の水準を向上させること。団地管理の民間委託拡大による居住者サービスの低 下に反対し、自治協・自治会との十分な意思疎通と連携による団地管理と、コミュニティ活動への協力を 推進するよう要求します。
5.市場原理万能の住宅政策ではなく、「住まいは福祉・住まいは人権」の理念を実現する公共住宅政策拡充を要求します。
6.年金や消費税の問題、改憲や米軍基地再編の動きに対し、公団住宅居住者のくらしと権利を守り、憲法と平和を擁護する活動をすすめます。

 以上、決議します。

                                                   2007年6月17日

                                 全国公団住宅自治会協議会第34回定期総会


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全国自治協第34回定期総会