衆議院国土交通委員会

独立行政法人都市再生機構法案の審議


審議の第1日目は5月7日午前9時から、各政党から次の議員が質疑に立ちました。東京近郊の団地自治会の役員等約120名が審議を傍聴しました。

松島みどり議員(自民)

石毛えい子議員(民主)

阿久津幸彦議員(民主)

赤羽一嘉議員(公明)

瀬古由起子議員(共産)

原陽子議員(社民)

松島みどり議員(自民)
現在住んでいる方々が新しい法人になっても住み続けられる権利が守られるのかどうか伺いたい。東京23区自治協の調査では65歳以上の世帯主の割合は4割を超え、公団の全国調査の数字でも古い団地ほどその傾向が強く、世帯主3人に2人が50歳以上、公団賃貸住宅を終の棲家と考えており、今住んでいる方の生活は守り続けなければいけないない。
 「譲渡」、閣議決定されている「棟単位の売却」が気にかかる、非常に心配、都市再生の中で影の部分にならないよう危惧している。付帯決議の検討を。
新宿・河田町のような高級賃貸住宅、高家賃のリッチな賃貸住宅を造る必要があるのか、競争率が激しいのならばその住宅の家賃を上げ、それをほかのところへ回すような発想はできないか。
 扇国土交通大臣 公団住宅200万人が住んでおり2割が高齢者であり、公的なものが必要だと思う。安全・安定を確保することが重要であると認識している。賃貸住宅の安定的確保は3条の目的に位置づけられており、最大限に居住の安定に配慮をするので安心してほしい。
石毛えい子議員(民主)
 賃貸住宅の供給からは撤退し、民間の供給支援をするとなっているが、住宅とはスペースの確保だけではなく、子育て、高齢者など様々なコミュニティの形成、施設、環境に配慮しまちづくりとして推進していくことが肝要。民間のマンションは全体的な街づくりとして欠けている。新法人が民間の支援をする時、コミュニティの形成、環境整備など全体として責任を果たしていくことを含め、民間供給支援と受けとめて良いのか。
 扇大臣 これまで民間では少ないファミリー向けを公団がつくってきたが供給からは撤退する。賃貸住宅は続けて継承し建て替えを行い、建て替えの時には民間ではできない福祉施設などを併設させる。また民間が建てる時には施設等用の土地も提供していく。これらを新しい都市づくりのモデルとしてやっていく。
 石毛議員 高齢化が進んでいるが、企業の福利住宅廃止などにより、今後かなりの割合で住宅困窮者が増えていくことが予測される。民間賃貸住宅の供給を市場に100%依存するのではなく、家賃支援などを行いソーシャルミックスの住まい方の実現が必要。それにより子育て世代や高齢世帯も入れるような民間住宅を整備しないと、入居者が特定の人になりかねないと危惧する。
 高齢者向け賃貸住宅は2002年度21,000戸が計画され、5,433戸建設されそのうち4,425戸を公団が建設、民間では高優賃の建設は進んでいない。民間住宅供給支援策の制度との乖離問題を埋めてほしい。
 松野住宅局長 高齢者向け優良賃貸住宅制度は世の中に浸透していない。使われるよう努力したい。
石毛議員 多摩自治協の調査では年収469万円未満世帯が59%、65歳以上の世帯主が37.5%、60歳以上ですと53.1%。収入で6割、年齢で5割強が課税所得20万円以下の階層、高齢化にともない応能家賃制度の検討を。公営住宅に住む方と所得が同じであっても公団住宅居住者は負担が大きい、公共住宅として家賃負担の仕組みの一元化を検討してほしい。


阿久津幸彦議員(民主)
 民間活力による都市再生、六本木ヒルズや汐留が都市再生の良い見本とは思えない。必ず飽きられる。都市再生は歴史・文化・景観・ゆとり・居住者の安心・安定が真の豊かさとコミュニティを形成する。民間に任せるだけではできない事業は官が補うべきで、官民の役割分担と地方分権、市民の声も反映させながら行わなければならない。
 賃貸住宅の安定的確保とは、継承し引き続き管理される住宅の、継続居住者の居住の安定確保も含まれるのか。
 住宅局長 機構が承継する75万戸は貴重な社会資産であり、居住環境、居住の安定は確保し、従来どおり管理する。
 阿久津議員 機構がどんな仕事をするのか、国民がどんな指名を望むのか、機構の本業とは日本住宅公団に原点があるのだと思う。勤労者のための住宅供給、いかに充実させていくか75万戸200万人が住む住宅をどう位置づけるのか。
 扇大臣 75万戸は4大都市圏の賃貸住宅の7%を占めている。ファミリー向け賃貸住宅、バリアフリー化、駐車場・駐輪場の設置、都心居住、職住隣接など民間でできなかったことをやっていきたいと思っている。
 阿久津議員 棟単位の売却となっているが、居住の安定ははかられるのか。良好な環境とコミュニティの破壊につながりはしないか。
 住宅局長 売却にはかなりの限定がかかっている。大切な社会資産であり、政策的判断をしたうえで可能なケースがあれば検討することであり、むやみに売ることはない。
 

赤羽一嘉議員(公明)
 75万戸200万人の家賃については変わらないのか。高齢者は値上げ見送りになったが、都市再生機構になったらどうなるのか。特別な場合だけでなく継続してほしい。また値上げ分の修繕7項目は担保されるのか。
 住宅局長 家賃はルールに従いやってきた。高齢者への配慮、基本線は変わらない。修繕等適切な管理は引き続きやられる。高齢者特別措置はルールとは別、緊急事態等の措置はそのときにあらためて検討していく。
 古屋都市公団理事 機構に移行する不安を払拭するために努力する。

●写真をクリックしてください!(各議員の写真は衆議院のホームページからお借りしました)

瀬古由起子議員(共産)
 公団の利益は90%管理部門で生み出しているのに、都市再生等は赤字をどんどん拡大し続けている。黒字を出している賃貸住宅からは撤退し、赤字を出している開発部門やっていくというのはどうか。供給支援はお膳立てをしてどうぞ民間で儲けてくださいといっているようなもの。国が莫大な税金をつぎ込んでやらせる必要があるのか。
 扇大臣 儲かるものは民間がやる。儲からないのは公がやる。土地を取得しての賃貸では家賃でペイできないので支援が必要。
原陽子議員(社民)
 都市公団に残されている事業で、不良、赤字となっている事業について個々に情報が公開されていない。
 扇大臣 情報公開は重要な特殊法人改革の課題、現在を準備期間として考えてほしい。

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