[top]

2003年6月12日

参議院国土交通委員会
独立行政法人都市再生機構法案に対する附帯決議


 都市再生機構は、自主的、自律的な運営を行う独立行政法人として、所期の成果を挙げるためには、業務運営の効率化と財務内容の改善を図るとともに、中期目標に基づく中期計画の適正かつ確実な実施を図るべきである。
 以上のような観点に立って、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。

 一、都市再生機構は、都市基盤整備公団と地域振興整備公団の地方都市開発整備業務部門が統合され設立されることから、効率的な業務運営が行われるよう組織の簡素化等を図ること。また、機構設立後においても、事務・事業や組織の見直しを行うこと。
 二、機構は、経費の削減、譲渡用資産及び未利用地の早期処分並びに支払利息の低減等による財務体質の強化を図るとともに、財務内容等の情報公開を積極的に進めること。
 三、機構は、市街地の整備改善に関する業務の実施に当たっては、関係権利者の意思が反映されるよう努め、地方公共団体、民間事業者等との協力及び適切な役割分担を図るとともに、コーディネート業務等のノウハウが積極的に活用されるよう努めること。
 四、機構は、民間事業者では実施することが困難でリスクの高い事業を行うに当たっては、創意工夫等により、事業リスクの軽減に努めるとともに、リスク管理の徹底を図ること。
 五、機構の保有する建替余剰地の処分に当たっては、公的資産として活用し、公園・福祉施設・公営住宅等公的な利用を図るよう努めること。
 六、機構は、民間事業者の賃貸住宅の建設の見通しを十分勘案しつつ、その供給支援に努めるとともに、良質な賃貸住宅供給が確保されるよう、その補完的役割を適切に果たすよう努めること。
 七、機構は、都市基盤整備公団から承継する賃貸住宅について、居住者との信頼関係を尊重し、居住者の居住の安定を図り、住宅や利便施設等の適切な維持管理を行うとともに、家賃が低所得の高齢者等の居住者に対して過大な負担とならないよう配慮すること。
 八、機構は、老朽化した賃貸住宅の建替えに当たっては、低所得の高齢者等への建替家賃減額制度に配慮するなど居住者の居住の安定を図るとともに、良好なまちづくりとコミニティの維持に努めること。
 九、機構の理事長及びその他の役員の選任においては、適切な人材が広く内外から起用されるよう十分配慮すること。
 十、機構への移行に当たっては、これまで維持されてきた職員との雇用の安定を含む良好な労働関係に配慮すること。
 十一、機構の子会社、関連会社等については、整理・合理化を図るとともに、財務内容等に関する情報公開を推進すること。また、機構関連業務の業務契約について、関係法人との随意契約の適用を厳格に行い、競争入札を原則とし、中小企業への発注機会の拡大のための分離分割方式の活用を含め一般の民間事業者の業務機会の拡大に努めること。

[top]

[参議院審議のtopへ]

[home]