●埼玉・北本市議会

都市基盤整備公団住宅の家賃と居住の安定に関する意見書

 安心して住み続けることができる都市基盤整備公団住宅の役割は、高齢社会に入った我が国にとって、これまで以上に重要かつ存続意義の高いものとなっている。
 さてこの程、本年4月からの継続家賃についての決定が見られた。今回の改定では、全国75万7,000戸の内4万7,000戸が平均3,500円の引き下げ、23万6,000戸で平均1,700円の引き上げ、47万4,000戸が現行据え置きとなっている。中でも低所得高齢者世帯の一部については家賃の引き上げが予定されていたが、15年度は個別の申請により現行据え置きの緊急措置が取られることになったことは評価される。
 しかし、民間の賃貸住宅家賃が引き下げ傾向にあるにもかかわらず、公団賃貸住宅
の家賃を引き上げることは低所得世帯の家計を直撃し、生活困難を助長することになりかねない。
 2,097世帯が居住する北本団地においても例外なく、高齢世帯の増加や長引く不況により所得水準の低下が著しく、自治会が実施した平成14年度の調査によると年収469万円未満の世帯が65%を占め、6年前の調査に比し18%も増加していることを見ても、明らかである。
 また、政府が今通常国会に提出した「独立行政法人都市再生機構法案」は賃貸住宅建設から原則撤退し、既存賃貸住宅の「譲渡」を盛り込むなど、管理を手放す方向も示されており、居住者は不安を抱いている。公団賃貸住宅は国民共有の資産であり、公共住宅として次の世代に引き継ぐことが望まれている。
 とりわけ、公団住宅は民間賃貸住宅への入居者が困難な高齢世帯の「受け皿」として地域福祉の拠点的役割を果たしており、その存続と拡充が求められる。
 以上の趣旨から下記事項について当議会として意見書を提出する。

                     記

1.都市基盤整備公団の独立行政法人への移行にあっては、高齢化が著しい公団住宅居住者の居住の安定を図るよう、万全の措置を講ずること。
2.継続家賃改定にあっては、不況下の厳しい経済事情を考慮するとともに、居住者に過大な負担をかけないよう、慎重に検討すること。
3.公団賃貸住宅を公共住宅として存続させること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成15年3月20日
                                        埼玉県北本市議会

[top]

[top]

[議会意見書のtopへ]

[home]