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◆埼玉・上尾市長

  本年4月公団住宅の家賃値上げを取り止め、居住者の居住の安定のための
  施策拡充を講ずることを求める要望書

 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。また日頃は上尾市政にご理解ご協力をいただき、深く感謝申し上げます。
 さて、独立行政法人都市再生機構は、本年4月から公団管理の賃貸住宅の継続家賃の値上げを行うことを居住者に通知されましたが、市内に公団の賃貸住宅5団地9,596世帯を有する本市としましては、由々しき問題であるといわざるを得ません。
 ようやく日本経済が不況から脱しつつあるとはいえ、本市内の公団団地居住者の高齢化と所得水準の低下は一段と顕著になっております。
 昨年9月に全国公団住宅自治会協議会が実施した調査によれば、本市内団地では、世帯主年齢80歳以上の世帯が80.3%あり(このことは本市の調査でも同様の結果が出ております)、また、年収446万円以下のいわゆる第1分位世帯が72.2%(260万円以下は89.4%)を占めております。このことは、全国的にも同様と承っております。
 これからを鑑みるとき、本年4月からの公団住宅の家賃の値上げは、本市内の団地居住者の生活不安をもたらす恐れが極めて大きく、団地居住者にとって到底受け入れられる状況にないといわざるを得ません。
 住まいは、人間生活の基礎であり、地域コミュニティの形成にとって不可欠であります。住民の居住への不安は、地域コミュニティの崩壊につながるものであり、23万市民の市民生活の安定を掌る当市としましては、これを看過するわけには参りません。
 加えて、一昨年の通常国会で都市再生機構法案が可決された際、衆参両院の国土交通委員会は、付帯決議として「居住者の居住の安定を図ることを政策目標として明確に定めること」、「賃貸住宅の家賃の設定及び変更に当たっては、居住者にとって過大な負担にならないよう家賃制度や家賃改定ルールに対する十分な配慮に努めること」、「家賃が低所得高齢者等の居住に対して過大な負担にならないよう配慮すること」等を決議されております。
 つきましては、何卒、本年4月に予定されている家賃値上げを取り止められるとともに、前記「付帯決議」を遵守され、居住者の居住の安定のための施策拡充に努められるよう、お願いする次第です。

  2006年2月28日                     埼玉県上尾市長  新井弘治

内閣総理大臣  小泉 純一郎 殿
衆議院議長 河野 洋平 殿
参議院議長   扇  千景 殿
国土交通大臣  北側 一雄 殿
全国市議会議長会会長  国松  誠 殿
独立行政法人都市再生機構理事長  小野 邦久 殿

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