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アンケート結果をふまえ4党へ要請
 全国自治協は、4党の議員連盟等へこの9月に全国206団地自治会で取り組まれた「第12回団地の生活と住まいアンケート」の集計結果の報告・要請を行いました。コロナ禍の11月、自由民主党・公団住宅居住者を守る議員連盟、立憲民主党・UR住宅居住者を支援する議員連盟、公明党・UR住宅等の居住の安定等推進委員会、日本共産党国会議員団との懇談を次々と進めました。
 懇談ではアンケートで表れた居住者のいっそうの高齢化と、年金暮らしで低所得化している生活実態や、家賃負担が重く家賃の支払いに大きな不安を持っていること。さらにストック再生とされた団地では団地を売却・削減する再生事業で移転を求められる等の不安を抱えながら、引き続き終の棲家として公団住宅に住み続けたいという強い要望があること??等を伝えました。
 また要請書では、機構法25条4項「家賃の減免」の実現、公団住宅削減を進める機構の団地再生事業について国会での審議、国民の居住確保は自助任せでサービス付高齢者向け住宅や民間空き家の登録制度しかないきわめて貧しい住宅政策の抜本的な見直し・改善??等を要望しました。
 3党の会合に出席した国土交通省、都市機構が資料を提示し説明をしましたが、居住者実態と抱える問題にはふれず、家賃の減免についても「URは世帯属性に拘わらず幅広く受け入れ市場家賃で供給するということであり、公営住宅とは役割分担が違う、民間との公平性、生活保護等の社会保障との関連もあり慎重に検討が必要である」とこれまでの国会答弁と同様言い訳に終始しました。
 これに対し全国自治協は、機構が実施しているとする家賃減額措置等が、機構法25 条4項の「継続居住者が家賃を支払うことが困難であると認められるものである場合」に当たらないこと、国交省の言い分は法律を無視し減免しない理由にはならないこと等を主張。機構の2019年度財務状況の利払い等の問題点、公団住宅を削減する再生事業の問題点と協議・合意形成の必要性、高齢者・住宅弱者の居住確保??等について「論点メモ」を提示し、機構や国交省の説明に反論するとともに議員へ理解を求めました。

自由民主党 公団住宅居住者を守る議員連盟
 自由民主党公団住宅居住者を守る議員連盟の総会は11月26日、衆議院第一議員会館会議室で開かれ、平沢勝栄、平口洋、松本洋平衆議院議員ら14議員が出席(上写真)。都市機構は頼理事、倉上住宅経営部長、平田企画課長、小島経営課長、佐藤業務収納課長が、国土交通省住宅局から和田住宅局長、高田民間事業支援調整室長、竹村企画専門官が出席。全国自治協は多和田、石川、鈴木、青木代表幹事、興梠事務局長が出席しました。
 冒頭、平沢会長が「コロナ禍で大変なところをお集まりいただいた。本日は委員会等で出席議員は少ないかと思うが実りある議論にしたい。9月に復興大臣を拝命、公団住宅問題は重要、引き続き議連会長をやらせていただく。ご要望等自治協のみなさんのご意見に沿って議論いただければと思う」とあいさつしました。石川代表幹事が議連開催に感謝を述べ「先のアンケート結果ではいっそう高齢化が進み、住み続けたい希望が圧倒的。家賃負担が重く生活が大変厳しい。現在統一署名に取り組んでおり、居住者の要望実現に向け国会審議をお願いする」とあいさつ、興梠事務局長が第12回団地の生活と住まいアンケートの集計結果を説明・要請しました。
 住宅局長のあいさつ後、高田室長が令和3年度予算概算要求を説明。機構倉上部長が機構法25 条4項「家賃の減免」実施について「機構法25 条4項に基づき家賃減額措置等を国の支援を受けながら実施。自治協の要望がこれらと異なることは承知している。多額の有利子負債を抱え、2013年閣議決定により経営改善を掲げ収入増やコスト削減等で安定経営をめざしている」と話しました。
 出席の議員は、「コロナ禍で国の財政はきわめて厳しく公団住宅も例外ではない」「建て替え後の家賃、住み替えの住居等、不安を取り除くようしっかりと要望を伺う」「お住まいの方・URの役割を考えていかなければならない。国交省にはどのくらいの要望があり応えられているのか聞きたい」「国の住宅政策としての位置づけ、住み慣れたコミュニティで住み続けたいことにどう役割を果たしていくのか、居住者の生活をどう守っていくのか改めて議論したい」等と述べました。

立憲民主党 UR住宅居住者を支援する議員連盟
 立憲民主党UR住宅居住者を支援する議員連盟の総会は11月17日、感染症対策に留意し密集を避け参院議員会館の講堂で開かれました。末松義規会長をはじめ早稲田夕季衆院議員ら16議員が出席。機構は倉上部長ら8人が、国交省住宅局から淡野審議官らが出席。全国自治協は多和田代表幹事らと関東の自治協代表ら計50人が出席しました。
 早稲田事務局長の進行で、末松会長が「アンケート結果を拝見した。高齢化7割、年金受給7割、追い出しに等しい不安、実態をしっかり認識し取り組む。立憲民主党は151議員の新体制になり、みなさんを応援したい議員が参集、頑張っていきたい」とあいさつ。顧問の菅直人、野田佳彦衆院議員、会長代行の小宮山泰子衆院議員らの新体制を紹介後、全国自治協の第12回団地の生活と住まいアンケートの集計結果の説明と要請、国交省・機構の説明等が続きました。
 出席議員から「新体制の議連でしっかりと取り組んでいく」「住生活基本法の頃からだが、今が一番厳しい状況かと思う。安心して住める日本にしたい」「75%以上が住み続けたいはうれしい。高齢者が多くなり心のケアを、家賃等でハラハラはやめてほしい」「アンケート結果を地元の団地から届けてもらい、しっかりと取り組んでいく」「年金生活が多く家賃負担が重い。住み続けられるようにUR はどう役割を果たしていくのか、エレベーター設置は計画的な対応と国の支援が必要」「団地再生の不安を払拭できるよう施策等に努力していく」「公団住宅の抱える問題は日本全体の問題。これを抜きに持続的発展はないと考える」「コロナで格差の拡大が問題。住まいはベーシックサービスの根本である」「地元から家賃についてご意見が、この声がしっかりと届くよう頑張る」「以前高島平に住んでおり、みなさんと力を合わせて頑張りたい」「住宅は今、人権という視点から注目されている。若い方からお年寄りまで住宅を確保できること、安心・安全が大切である」等のあいさつがあり、最後に末松会長が「みなさんのために頑張っていく」と結びました


公明党 UR住宅等の居住の安定等推進委員会

 公明党UR住宅等の居住の安定等推進委員会は11月24日、衆議院第一議員会館の大会議室で開かれ、委員長の富田茂之議員ら5人の衆院議員と3人の参院議員が出席。機構は頼理事ら5人、国交省は和田住宅局長ら3人が出席。全国自治協は多和田代表幹事ら5人が出席しました。
 石川代表幹事がこれまでの尽力とこの場の設定に感謝を述べ、興梠事務局長が先のアンケート結果を報告・要請しました。機構のあいさつと説明の後、住宅局長が「不十分な点があるかと思うが、来年に向け予算要求で頑張っている」とあいさつ、高田室長から来年度予算概算要求の説明がありました。
 岡本三成衆院議員(公明党国土交通部会長)は「みなさんの声をしっかり受け止めていきたい。コロナ禍で格差が生じ住宅セーフティネットのギアアップが必要だが公営住宅以外は政策がない。もっと真正面から受け止めるべきで他国では民間にも家賃補助がある。国の支援が少なすぎる。住宅セーフティネットの中でどういう役割を担うか真摯に議論していきたい」と述べ、富田委員長は「若い人にも住んでもらうためにどう進めていくか。機構法25 条4項はずっと要請していただいている。この厳しい中で、もう少し踏み込み少しでも声に応えていきたい」と述べました。
 最後に自治協は「論点メモ」を提示し、住宅政策の国会での審議を要請しました。

日本共産党国会議員団
 日本共産党国会議員団との懇談は11月6日、衆議院議員会館の会議室で行われ、国土交通委員の高橋千鶴子衆院議員ら7議員が出席、全国自治協は角代表幹事ら7人と多摩自治協役員2人が出席しました。議員から「昨年の懇談後、鶴川を現地視察した。この問題は大事な問題と思いを深くした。住まいは人権、安心して住み続けられるよう一緒に頑張りたい」「消費者問題特別委員会で家賃減免の問題に引き続き取り組む」「国会で家賃減免を求め質問した。年金で2人が1人になったら大変と伺っている。引き続きがんばっていく」等のあいさつがありました。
 石川代表幹事が修繕負担区分等の前進にお礼を述べ、居住者の高齢・低所得化で家賃の減免・高家賃引き下げが必要と要請、機構のストック活用・再生ビジョンの問題点を指摘し、先のアンケートの結果に基づいて居住者の実態と住み続けたいという強い要望を伝えました。その他エレベーター設置要望、退去査定の問題、家賃の減免要求等について話しました。
 高橋議員が「住まいは人権、公団住宅には公共住宅として役割がある。皆さんの要望が実現するよう今後も国会で取り上げていきたい」と述べ、懇談を終了しました。

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