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来年4月の家賃値上げ中止を求める要請書
国交大臣、機構理事長宛に提出
 全国自治協の呼びかけで7月に取り組まれた「都市再生機構賃貸住宅の継続家賃値上げ中止を求める要請書」団地自治会会長署名を8月始めに、国土交通省住宅局と都市機構本社へ提出・要請を行いました(以下、その模様)。
国土交通大臣宛、255団地自治会の会長署名提出
 全国から太田昭宏国土交通大臣宛250団地自治会の会長署名が集まりました。8月5日午後、林守一代表幹事以下全国自治協役員10名が国土交通省住宅局へ出向いて、集まった会長署名を提出、来年4月の継続家賃値上げ中止に向け機構を指導するよう要請しました。国土交通省は井上俊之住宅局長他3名が応対しました。
 はじめに、林代表幹事が要請内容を読み上げて要請し会長署名を手渡しました。参加した幹事は「年金も下がり様々な負担が重くなっている。今違法住宅が問題になっているが、安心して住める住宅政策が必要である。現状をよく見てほしい」「高齢者の一人住まいが多くなっている。高齢者対応の設備と居住の安定が必要である。高優賃住宅の復活を」「若い世帯も低収入の方がいる。子育て世帯が住めるように」「建て替え高家賃団地は空き家も多く、入ってもすぐに出て行く」「6,000戸の団地で75歳以上が1,000名以上となる。高齢者は出て行く先はなく生活を切り詰めて住んでいる」など、それぞれ居住者の要望や生活実態を踏まえて発言、要望しました。
 井上住宅局長は「機構の家賃はまず機構が考えて決めることである。国土交通省の所管であり知らないとは言えないが、作業中止の指導はできない。制度として上げるのは上げにくく、下げるのは下げやすいというのはあり得ない。ルールによって3年に一回一部の値上げが行われることになるが、機構から上がって来たらきちんと大臣に伝える。国が政策としてやらなければならないことで不十分なことは多々あるが、賃貸住宅は機構だけではなく民間もあるし、お金がない。11%の空き家率は高いと思うが、家賃が高すぎるとは一般的には言えない。軽減措置もとっている。民間空き家は18%であり、民間からの圧力もある。そうは言っても実態としてあることについてはより具体的に聞かせてほしい。いつでも話は聞きます」と述べ、今後も話し合うことを約束しました。
 ※国土交通大臣宛自治会長署名は8月5日提出後、5団地が集約され追加提出し計255団地になりました。
機構理事長宛、255団地自治会の会長署名提出
 国土交通大臣宛会長署名提出に続いて、8月7日午後、藤谷昌男代表幹事以下全国自治協役員8名が都市機構本社に出向き、全国から集まった都市再生機構上西郁夫理事長宛の255団地自治会会長署名を提出・要請を行いました。
 都市機構は、伊藤治住宅経営部長他4名が応対。冒頭、藤谷代表幹事が要請書を読み上げて要請、会長署名を手渡しました。また、5日に国交大臣宛同署名を提出・要請したことも伝えました。
 参加した幹事が「建て替え後団地は入退去が激しく、空き家が増加している。団地では高齢化がすすみ、所得も増えるあてはなく、家賃値上げは困る」「若い人も非正規労働で収入も低い。実態から言って家賃が払えない状況もある。今公団住宅が公共住宅として果たさなければならない実態と役割を踏まえて検討をしてほしい」「若い世帯は移転できても高齢者は我慢するしかない。預金を取り崩して生活している」「70歳以上の30%が単身世帯となっている。収入も限られていて家賃を払いきれない」など、それぞれ居住者の要望や生活実態を踏まえて発言しました。
 伊藤部長は、要請に対して明確な回答を避ける一方、現在機構がおかれている状況について以下のように説明しました。
○ 空き家については民間に比べ悪いという状況ではないが、大変頭を痛めている。40年代50年代に大量供給した郊外団地やそれ以降、中堅勤労者向けとして、誘導居住水準の維持等の要請もあり広い住宅を供給してきた。社会の変化は大きく1人、2人世帯が多くなってきている。新規住宅建設を行わない一方で既存住宅の修繕費用が漸増して経営効率が悪くなっていくなかで、資産である住宅を健全に維持管理・運営していくことは重要である。いかに稼働率の低下に歯止めを掛けられるかである。
○ 家賃改定については、経過措置としての意味合い、経済変動の反映などを含むものとしてこれまでのルールがある。今後適格に対応してまいりたい。皆さんの要請を受けた議員の先生方からもいろいろなご意見があるが、財政の立場から着実な実効を求める意見があり、また行革の観点からも経営改善は求められている。
○ 高優賃は、国からの補助金も、機構としての負担にも限界があり、ご不満があることは承知している。URでは「超高齢社会における住まい・コミュニティのあり方検討会」を設置し、報告書を出す予定。みなさんにどう住み続けていただくか、その施策を検討していきたい。
○ ニュータウン事業への繰入についてはご不満かも知れないが、財投繰り上げ償還の時の財務省との約束事である。金利が高く負担が重かった借入金を返済できたことで、1,000億円の金利負担が軽減された側面もある。ご理解いただきたい。
 全国自治協は、継続家賃値下げ中止について今後も話し合いを継続するよう求めて要請を終了しました。
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