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このたびの東日本大震災で被災されたみなさまに、
心からのお見舞いを申し上げます。
一日も早く復旧されますよう祈念しております。
UR団地の建物は大きな被害はなかった
 3月11日に起きた東北地方・太平洋沖大地震・大津波、そして東京電力福島第一原子力発電所の大事故。死者・行方不明者が2万8000人を超える未曾有の大惨事のなかで、私たちにできることをしようとの全国自治協のよびかけに呼応して、多くの団地自治会は居住者に被災者救援の募金をよびかけるなどの取り組みをしています。
 大震災では宮城県仙台市にある16団地約4,000戸の公団住宅のほとんどすべての居住者が被害を受け、ライフライン破壊のため避難所で生活することを余儀なくされました。また、千葉、茨城両県の団地はじめ東京、神奈川など多くの団地で水道、ガスなどのライフラインが打撃を受け、生活に影響が出たところ、住棟の一部破損、液状化や道路陥没などの被害が発生しました。
 しかし、公団住宅では住宅内にいて亡くなった居住者はいませんでした。建物も一部破損の住棟があったものの全壊または半壊したものは無く、いち早く耐震診断・補強に取り組んできた成果とも言え、阪神淡路大震災のときと同様に公団住宅が優れていることが明らかになりました。
 国土交通省と都市再生機構は、被災者の避難住宅として当面、北海道から九州までの公団住宅約2,600戸を提供し、順次受け入れています。地震国日本の都市において、公共住宅である公団住宅の存在と役割がいかに重要であるかを明らかにするものです。
 都市機構は被災地での応急仮設住宅の建設支援要員を宮城県に3月23日、岩手県に24日、相次いで派遣しました。
 住宅政策はもちろん原子力政策に関しても国家政策のあり方を問い、国民本位のものにする取り組み、居住者同士のつながりを深め、防災訓練などの活動に力を入れてきた地域コミュニティづくりの取り組みなど、団地という集合住宅における自治会の存在と活動の大切さが改めて思い知らされています。
関東の公団住宅の被害状況

液状化現象が発生(袖ヶ浦団地)
 3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9の巨大地震・東北地方太平洋沖地震で東日本の太平洋岸を中心に地震、津波で壊滅的な被害を受け、死者約1万1,000人、行方不明者と合わせると約2万8,000人という大惨事となりました。さらに福島第1原子力発電所の爆発が加わり、ホウレンソウ等や水道水までもが放射性物質に汚染され関東地方では計画停電の実施と、東日本はまさに未曾有の危機に瀕しています。関東の都市機構賃貸住宅でも千葉県を中心に東京等で被害が出ています。
千葉・茨城自治協
 千葉幸町、袖ヶ浦、若松二丁目、真砂第一団地など東京湾に近いところは揺れに加え液状化が激しく、水、電気等のライフラインが切断されました。各自治会は飲料水や風呂、トイレの水確保、高齢者の生活見守り等に役員が献身的に活躍しています。
 千葉幸町団地では液状化現象や陥没・隆起が階段入り口や通路等いたる所で発生。自治会では夜間の余震が心配な人たちに避難場所として小学校の体育館の開放を学校へ依頼、利用を放送で呼びかけたところ、二つの小学校の体育館に120名が宿泊しました。断水で給水車に長蛇の列ができ、当初1ヵ所だった給水車を都市機構に要請して3ヵ所増やし、給水車まで来るのが困難な人のために水が入ったポリ容器を届けたりしました。夜間照明、マンホール式非常用トイレも急きょ組み立てられ利用されました。

避難所となった小学校体育館(千葉幸町団地)

仮設トイレを設置(千葉幸町団地)

断水で自衛隊の給水車が出動(袖ヶ浦団地)
●東京多摩自治協
 山を整地した団地で揺れがひどく、永山、百草団地等の一部で渡り廊下の継ぎ目等に亀裂が生じたり建物にヒビが入ったりしています。田んぼを埋めた神代団地等では地盤沈下や地面に亀裂の被害が出ています。家具の転倒、食器の壊れ、冷蔵庫の中身の飛び出し、集会所玄関のガラスにひび、外壁の部分欠損等が南多摩の被害状況です。北多摩は大方が中層住宅と建て替え後住宅のため建物に目立つ被害はほとんど出ていませんが、建て替え後の高層住宅では上階の揺れがひどくテレビやパソコンが落ちました。最初(16日)の計画停電でエレベーターの閉じ込めが2件発生。また停電復旧後の断水が1〜2時間続き、復旧(停電後は水圧が下がって送水できなくなりJSが復旧)に時間がかかるとの事前周知がなかったため自治会役員、緊急連絡員等は「停電が終わったのにどうして水が出ない」の対応に苦慮したところがありました。

廊下のつなぎ目に亀裂(永山団地)
●東京23区自治協
 数多くの被害が出たのは高島平、むつみ台、王子五丁目等の高層団地でした。高島平団地ではタイル等の外装材の剥がれが多く、中階段のガラスのひび割れ、共用廊下の亀裂、玄関ドアの不良等が、集会所はガラスのひび割れやトイレのタイル剥がれ等の被害。むつみ台団地では玄関ドアの不良、汚水管の漏れ、水漏れ、床タイルの隆起や剥がれ、外壁にひび、玄関等の窓周りに亀裂。王子五丁目団地でも同様に水漏れ、玄関ドア不良、ガラスの割れ、トイレ・ロータンクの外れ、エレベーターの停止等の被害が出ており、自治協加盟では23団地で何らかの被害が出ています。

9階の住宅で食器棚等の家具が転倒(王子五丁目団地)
9階の住宅(王子五丁目団地)
ジョイント部分蛇腹の破損(高島平団地)

供用廊下の天井が落下(高島平団地)
埼玉自治協
 埼玉自治協加盟団地では余り目立った被害は報告されておらず、尾山台団地で住棟階段入り口付近に亀裂が、武里団地で6街区住棟間の進入路が地盤沈下しているとのこと。
神奈川自治協
 幸いにして大きな被害は出ていませんが、外壁のひび割れ、ジョイント金具の破損(コンフォール仏向町)、敷地陥没等が出ています。また、複数の団地で玄関ドアの開閉不良が出ているとのことです。
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